ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

「シャンブレ」

2025年02月10日 00時45分00秒 | ワインの事
ワインは温度によって味わいが変わります。

そして先人達が「このワインは何度位が適温」「あのワインは少し高め」等と伝えてくれています。

ただ、それが必ずしも正しいか?否か?は難しいところで、ワインによっては許容温度帯に幅がありますし、季節(特にアジアの夏)によっても体感が違うのは言うまでもありません。

しかし、まあ概ね「適温」は当たっていますので、それに合わせるのが得策です。

昨今、セラーの普及が目覚ましいのですが、セラーは「保存用の温度」に設定されていますので、そこから「飲み頃温度」に調整をしないといけません。

赤ワインの場合は大概の場合は少し温度を上げる必要があります。

そこで「部屋の温度に馴染ませる」ことをするのですが、これを「シャンブレする」と言います。
一概に「何十分で大丈夫」とは言えませんし、セラーの設定温度や部屋の室温にもよります。
そしてもし部屋が23度だったとしたら、そこまで上げると行き過ぎ。

私の場合は16度を目途にし、そこからはデキャンタやグラスに入れてからの上昇を加味します。

自宅でワインを召し上がる場合、廉価なワインは「ちょっと手抜き」でもいいかもしれませんが「記念のワイン」などは適当な温度だと勿体ないですよね。

それと温度計がセラー内や部屋にあると便利です。(セラーの設定温度が実温とは限りません)
あとコロナ禍で流行った非接触体温計は機種によってワインの表面温度も測れます。
是非、使ってみてください。


さて今日から12日迄は沢山空いています。
ワインの温度を調整してお待ちしています。


           樋口誠

ワイン選びの考え方

2025年02月06日 02時06分42秒 | ワインの事
私達飲食業でもワイン選びの基準は様々あります。

例えば低価格のワインを考える場合は国や品種よりも価格が優先されます。

フレンチやイタリアンなら「主に」その国のワインを選択することになるのは当然。

そこに「ソムリエがいるレストラン」という条件が入ると「国」より「地方別」のラインアップが求められます。

また和食や中華で選ぶ場合は違ってきて然り。

あ、和食の場合は「日本ワインで選ぶ」も最近なら可能になってきました。

そむりえ亭の場合はというと・・・

沢山開けるグラスワインの「味わいのバラエティ」を「産地の特性」や「価格帯の妥当性」を見て決めます。
勿論、その先には「マリアージュ」が無ければなりません。

中でも「その葡萄品種は、その地方(国)に特有のものか?」は大事な要素です。特にクラシックな産地では・・・

ではニューワールドと言われる産地ではどうか?

カリフォルニアではジンファンデルという「ならではの品種」もありますが、「カリフォルニアの名を確固たるものにした」カベルネやシャルドネは最早「フランス特有の」として扱う必要もないかもしれませんし、オーストラリアのシラーズも然り。

イタリアでも「スーパートスカン」と言われるものもフランス系の品種を使ったりしますが、既に市民権を得ているものと思っています。
とはいえサンジョベーゼを外してまで優先するものではないような気がします。

ま、数百種とかのリストを作るのなら「その地方固有」と「国際品種」をバランスよく並べるのもありですし、そむりえ亭などは年間を通じてかなりの品種を使いますので、その中でバランスを取ることも出来ます。


しかし、時折「沢山の国のワインを並べているのに、内容は国際品種の羅列」というケースも散見。
或いは「料理は完璧なA国のものなのに、ワインはB国に偏っている」こともあり。

「価格の妥当性があり」「産地の特徴を捉え」「バランスよく」を頭の中で整理しながら「ワイン選びをする」

これって楽しいんです。


さて今日6日は沢山空いていますが、翌7日は一旦満席になりました。
8日はまだ半分ほどに空き、9日はお休みです。

どうぞよろしくお願いいたします。


       樋口誠

テイスティングも様々

2025年02月03日 00時59分52秒 | ワインの事
テイスティングも様々な「目的」「技法」があります。

例えばソムリエ認定試験では、外観・香・味わいをもとに品種や産地を推察します。
当たらなくても終わってからの答え合わせで「あの感じが〇〇種かぁ」とか「あの香りは習った通り△種のものだった」となればいいと思っています。
なぜなら受験者は「ほぼ初心者に近い経験値」の人が多いのですから「テイスティング自体が勉強」になればいいのだろうと・・・

或いは自店で使うワインを決めるためのテイスティングは違います。
この場合はブラインドでないことが殆どです。
「価格に見合っているか?」「他社のものに勝っているか?」「その産地の典型であるか?」等をフルオープンの情報をもとに見極めます。

醸造家などの場合は生産に関わる技術的な面を探ることになるのだろうと思います。
自分で造ったワイン、他者が造ったワインでも目的・方法は変わるでしょう。

しかし、どの目的のテイスティングでも、その先が「美味しく召し上がって頂く為」の前段階でなければならないことを肝に銘じたいですね。

さて明日4日は「サクラアワード」の大阪での審査会。
女性審査員が世界中のワインをテイスティングし、いくつかのカテゴリー別に評価をするというものです。
大阪会場では約1400種のワインを30チーム(5人一組程)で行います。
過酷です。
私達男性チームは、その1,400種の抜栓とサーブ。
これも過酷ですし、神経も擦り減ります。

今日3日は有難いことに満席になりましたので、帰宅後は「スコーン」と寝て明日に臨みたいと思います。

ということで明日4日はお休み、明後日5日そして6日は沢山空いています。

どうぞよろしくお願いいたします。


          樋口誠

ボトルのサイズも色々

2025年01月31日 01時08分51秒 | ワインの事
ボトルにも色々なサイズがあることは多くの人がご存知。

通常が750㏄、半分のサイズが375㏄、そして大きくなると「多くの場合」は750㏄の倍数です。

1500㏄、3000㏄、6000㏄等々・・

実際にはドイツを中心に500㏄や1000㏄もまあまあありますし、ジュラ地方では620㏄などもあります。

大きな有名産地では妙に半端な容量、例えば4,980㏄なども見受けられますが、恐らく「量産しないボトル故の誤差」ではないか?と勝手に推測しています。

ちなみに大きなサイズのボトルに纏わる「味わいの差」が「ワイン界隈」で話題にあがります。

「大きい方が美味しい」派が多いようですが、私はそう思っていません。

条件次第です。

そむりえ亭でも時折大き目のボトルを使うことがありますが、「条件」に照らし合わせての使用です。

そむりえ亭で、そういう機会に出くわしましたら、或いはご自宅に「大きいサイズがある」という方は「どんな風にして飲めばいいか?」と尋ねてください。


さて今日31日はたっぷり空いています。

皆様のお越しをお待ちしています。


             樋口誠

目覚ましい増え方です。

2025年01月21日 01時16分27秒 | ワインの事
ワインというだけで沢山の種類(タイプ)があるのはご存知でしょう。

発泡性でも白でも赤でもロゼでも複数の生産方法あり
酒精強化ワインも含めると相当数のタイプ分けが可能です。

最近ではその中にオレンジワインが入ってきて「あっという間に」=「目覚ましい勢い」で市民権を得つつあります。

少し前までは「フルーツのオレンジ」が原料と思っていた人も少なからず。

しかし最近では「オレンジワインを飲んだことありますか?」と聞くと「ある」と答える人の多いことに驚きます。

ただ「美味しかった」「好きだ」という人はまだ多くはありません。

私のヒヤリングによると「白ワイン同様に良く冷えていた」と・・・
果皮を漬け込んで=所謂「醸し」をしていますのでタンニンが少なからずあり、冷えすぎは禁物なんです。

また「流行り」という理由で安易に造られたオレンジワインがあることも混乱の要因かもしれません。

そむりえ亭でも年間の半分程の時期に使っています。
より美味しく楽しんで頂けるように工夫してお出ししますね。

どんなワインであれ「美味しく飲む工夫」を店でも自宅でもして楽しんで頂きたいと思います。


さて今日21日は半分の空き、22日は沢山の空き。
24日はお休み。

どうぞよろしくお願いいたします。


          樋口誠

ワインオープナーいろいろ

2025年01月14日 00時34分30秒 | ワインの事
どれだけ美味しいワインでも栓を開けなければ飲めません。

最近はスクリューキャップ等のクロージャー(栓)も増えてきましたが、やはりコルクが優勢ですし、オープナーは手元に欲しいものです。

ざっと下記のタイプが列挙できます。

スティルワイン用
・ソムリエナイフ
 ・シングルアクション
 ・ダブルアクション
 ・逆テコ
・T字スクリュー
・ハサミ式
・T字とハサミの混合式
・ウィングアーム式
・スクリュープル式 
・電動式
・空気注入式

スパークリングワイン用
・片側レバー式
・ペンチ式
 ・上から
 ・横から
・スクリュー回転式
・サーベル

その他用
・パンス ア ポルト

まだまだあるかと思いますが、私達はソムリエナイフを使うのが一番早く確実です。
「慣れ」ですね。

しかし、宴会係などが大量に抜栓するときはスクリュープル式のレバーアクション一発で開ける方が疲れません。

また私の使用経験やお客様からのお話・風評によると「電動は意外にコルクを折りやすい」「空気注入式は破裂の危険あり」等と聞きます。

実は現在、「ディアム」という圧縮コルクが多くなり「以前より硬い」という印象ですので、丈夫なものを選ぶ必要があるかもしれません。

もし「オープナー探しをしている最中」という方がいらっしゃれば、そむりえ亭で手に取ってください。
列挙している内の7割は置いています。

気になる方は遠慮なくご覧になってください。


*16日17日連休、18日満席、23日「シャンパン パルメ アンバサダーディナー」(募集中)、24日29日はお休み、それ以外は空いています。

どうぞよろしくお願いいたします。


          樋口誠

例えば双子の兄弟でも・・・

2025年01月12日 02時28分57秒 | ワインの事
小学生の頃も中高生の頃も、或いは大人になってからも周囲に「双子の兄弟、姉妹」は少なからずいたものです。

しかし、双子であっても後々の過程で性格は違いますし、所属した部活が違うと体格も違ってきます。

「兄」と呼ばれるか?「弟」と呼ばれるか?でも違う性格になるようです。

ワインも同様。

同じ畑で獲れた同じ品種の葡萄も「収穫期」「酵母」「発酵温度」「MLF」(専門用語ですいません)「熟成容器」「その期間」「ボトリングしてからの栓の違い」‥など「違いを生み出す要因」は沢山。

それ以外に「ヴィンテージ特性」「移動手段」「容器のサイズ」など更に複雑です。

少しワインを勉強すると「樽の有る・無し」が話題に上がりますが、そんな単純ではないのです。

では、それ以外の要因を科学的に突き詰めれば良いのか?

私は「そういうものではない」と思っています。

特定の化学的な要素に無理に当てはめると「誤謬」が生まれます。

そのワインを「何度で」「どういうグラスで」「その前に空気接触はどうして」「どういう料理と合わせる」を「自分や自分のチームで体感する」ことが重要です。

たたし、その「体感」は付け焼刃な方法でなく、ダイヤル錠を探り探り開けるように複雑な組み合わせを試さないといけません。

面倒くさいものです。

イチローさんと松井秀喜さんが最近されていた対談で「科学的すぎる野球」に警鐘を鳴らしていたようですが、大いに頷きました。

などと偉そうに書いている私にも未だ正解はありません。

高齢者になっても、です。

あ、この話は愛好家向けではなく、サービスサイドに向けての話です。

色々試してまいりましょう。


          樋口誠

キャップシールの【是非】

2024年12月14日 00時43分20秒 | ワインの事
テレビ「プレバト」で人気の夏井先生が発する「〇〇の【是非】」
ワインの世界でも様々な点で【是非】が問われていると思っています。

以前からボトルの「形状」「サイズ」「重量」に関して小さいながらも私如きが訴えていることはご存知の方も少なくないはずです。
他に「過剰な木箱」「包装」もそうです。

そして最近「好ましい傾向」と感じたことがありまして・・・
ボトルの口先を包む「キャップシール」
アルミやプラスティック、蝋など色々です。
蝋は自然に帰る素材と理解していますが、アルミやプラスティックは違いますね。
そして、それらを購入する経費も高騰しています。

つまり2点で「辞めた方が良いんじゃないか?」と思っていたのです。

ところが最近はキャップシールなしのワインがボチボチ見かけられるようになってきました。
或いは「ほんの僅かな蝋封」とか、です。
造り手の意図を直接聞いたわけではありませんが、大歓迎です。

1:生産行程が一つ省ける。
2:消費者の手間も省ける。
3:材料費が省ける。
4:自然に優しい。
など利点が沢山。

もし懸念するとしたなら・・・
①:高級ワインの偽装がしやすくなるという点
②:危険な薬物等が混入しやすい
ということでしょうか?

ま、①の偽装にかかる費用を考えると「余程の高級品」でないと元が取れませんので殆どの場合は問題ないかと思います。
そして②に関してはキャップシールをしていても可能でしょうし、正しい経路で販売されていれば可能性は極小かと・・・

いずれにせよ「ワイン界のSDGs」は決して先進的ではないと感じています。

千里の道も一歩より、です。

「樋口よ、生産者だけちゃうで。お前もなんかせんかい」と言われるのは承知しています。

宜しければ「サービスマンに出来るSDGs」をご教授頂ければと思います。


さて、今日14日土曜日と明日15日は沢山空いていまして、16日は貸切です。

どうぞよろしくお願いいたします。


         樋口誠

今現在の葡萄品種バラエティ

2024年12月04日 02時08分30秒 | ワインの事
そむりえ亭ではいつも沢山の品種でマリアージュに対応しています。

今現在は・・・
白系
シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ゲヴルツトラミネール、アリゴテ、グリューナーフェルトリナー、白系ローヌブレンド、ヴィオニエ、エデルツビッカー(アルザスブレンド)、ファランギーナ、グロマンサン主体、甲州ブレンド
赤系
カベルネブレンド、メルロ、カベルネフラン、ピノノワール、シラー、グルナッシュブレンド、ネッビオーロ、バルベーラとサンジョベーゼのブレンド、テンプラニーヨ、ジンファンデル、マスカットベイリーA

というものの今日にも無くなったり、新しいのが加わったりです。
ま、沢山開けていることに違いはありません。

コース用に使うのは主に10種ほどですが、追加や2次会使い用を考えると、これ位は必要なんです。

決して「勉強の為」ではありませんが、中にはそういう方もいらっしゃる。
「樋口がどんな使い方をするか?」ご確認いただくのも一手です。

さて今日はテーブルが埋り、カウンターはしっかり空いています。
明日はお休み、明後日6日はカウンター5席の空きでテーブルは埋まっています。

様々な品種でお迎えいたします。


           樋口誠

MBAというと・・・

2024年11月24日 01時55分53秒 | ワインの事
一般には経済関係の資格として捉えられます。

ワインの世界(といっても日本での話)では葡萄品種の略称として飛び交います。
「Muscat Bailey A」(マスカットベーリーA)の事です。

約100年前に「日本ワインの父」と言われる川上善兵衛さんが開発した品種。
アメリカ原産の「ベーリー種」とヨーロッパ系の「マスカットハンブルグ種」の交配で、今では国際機関に正式に登録されています。

様々な顔を見せる品種でなかなか面白いのです。

そむりえ亭でも時折使います。

11月下旬から12月の上旬にかけて2種の「MBA」を使います。

有名な国際品種とは違う香りと味わい。

私は「ワインの国や産地に拘らない」のが信条ですので、その一環での日本ワイン。

ただ「ペアリングで多量に使える範囲」に限りますので「希少な」或いは「高価な」日本ワインは使えません。(ワイン会では使いますが・・・)

しかし、希少でなくても面白いペアリングに使えますのでお試し下さい。

お待ちしています。


            樋口誠