かつては横浜三大商店街のひとつに数えられた大口商店街を抜けると、大通り沿いを歩けば鷲の湯がある。
2018年の7月頃に一度リニューアルされたため、改めて紹介することに。
JR大口駅から来ることもできるが、今回は公式ホームページに記載された京急子安駅から向かうことにした。
ここからだと歩いて7~8分の間に到着することができる。祝日に訪れたが、いつも人気のある賑やかな銭湯だった。
▲京急子安駅
▲改札口を出て右側に向かうと、お正月の風物詩である箱根駅伝のコースにでる(しかし鷲の湯はこっちではない)
▲左側をむけばJRの線路が隣接している。交錯してるのは、横浜線と京浜東北線
▲そのJRの線路下をくぐる必要がある
▲真上に電車が通るとかなり響く
▲地上にでたところ
▲商店街にむかう
▲昭和の雰囲気を残したパン屋さんやカメラ屋さんなどが軒を連ねる。時計の針がここでは止まってるみたいだ
▲大通りにでたところ。この写真で見える奥のマンション前が通り魔事件のあった現場だ
▲左を向くと、もう鷲の湯がみえる
▲とりあえず横断歩道を渡る
▲渡って左を向いたところ
▲あとは、この先を進むだけ
▲駐車場も確保されている
▲到着
下足箱はL字型で扉はプラスチック製。鍵はなぜか2種類に分かれてて、100円投入のリターン式と鍵を引き抜くものとある。
▲下足箱はこんな感じ
右手にある階段を上ると、
▲階段
中二階に常連用のロッカーがあり、その上をスロープであがる。
▲のぼった先のスロープ
スロープの右側は休憩所兼食堂になっている。
奥にあるのが食事の受け渡しをするカウンターで、左のところは写真だと隠れているが、自販機と受付のフロントがある。
メニューをみると入浴料は470円で、サウナ込みだと570円と良心的だ。
フロントに立つのは、50代ぐらいの女性。ここは何回も来ているが、初めてみる女性だった。対応するときは終始笑顔。理想的な対応だ。ほかのスタッフさんたちもみんな感じが良い人たちばかりである。
この日は森林乃湯だったので、男湯は左側。のれんをくぐるとここの規模にしてはそんなに広くないが、ほかと比べればやや広めの脱衣場。
左壁にロッカーが並び、真ん中にもロッカーがある。右側にトイレ。奥には体脂肪率も計れる体重計とその右に自販機、洗面台と続く。
ここのロッカーも鍵が2種類あって、コインのリターン式は面倒なので鍵のみのところを使用。
扉をあけて浴室に入ると、縦長で奥行きのある空間が広がる。
ここは真ん中に浴槽があって、右側にカランが並ぶ。
浴槽は、目の前が円形のラジウム温泉+炭酸泉。リニューアル前は温度の高い黒湯だったが、今は炭酸泉をミックスしてぬるめに変わった。
段差があって深浴槽でもある。
通常だと炭酸泉だけでも目玉になるが、黒湯と組み合わせたことでスーパー銭湯をしのぐ贅沢な設備といえるだろう。
その隣接した奥が主浴槽で、奥に向かってやや広がる。手前側に電気風呂。
その奥に広いスペースがあり、真ん中には球体の噴水がある。
左奥には深浴槽の中にジェットバスが3つ連なり、その対面にジェットバスのないミニバイブラ座湯。ともに水枕付きだ。
水枕は、ほかの銭湯だと機能してないところが少なくないが、ここではちゃんと生きている。些細なことかもしれないが、こうしたところに経営者の真面目さを感じる。
入り口に戻ると、入って手前左側にサウナ。その隣に水風呂がある。水風呂も黒湯(冷鉱泉=ラジウム泉)を使っている。
その水風呂の裏側に3人ほど使えるカラン。メインが埋まっていてもここは空いてることがある。
その奥に、鷲の湯一番の看板設備である北投石(微量の放射線を放つ特別天然記念物)の湯。
階段状になった段差を降りると、若干熱めのお湯になっていて、その横から北投石を通して流れるお湯が注がれる。くわえて勢いあるミストサウナが頭上を覆う。
この日ではなかったが、以前来たときはここのお湯に浸かっていると突然従業員の女性が扉をガラッと開けて、
「体調は大丈夫ですか?」
と聞きに来たのは驚いた。
ここまで気を使う銭湯はほかにないだろう。逆にそれだけ長湯してしまって体調を崩す客が多いということか…。
そして、この北投石の湯のガラス越し裏側に露天風呂がある。露天風呂は、主浴槽のはじっこにある二重扉を開けて入った先だ。
ここは露天風呂にもカランがあるのだが、ほとんどの人はその上に腰を下ろして外気浴をするためカランとして使ってる人は見たことがない。
露天風呂もリニューアルした後は変化が起きており、かつての熱湯が露天風呂に移行している。
以前の露天風呂は若干ぬるめだったので内心ちょっと不満だったのだが(ファミリー層向けを意識してたのかもしれない)、ここが熱くなると寒い時期はちょうどいい感じである。
客層は、年齢別にみるとやはり高齢者が多いが、若い人や子どもも少なくない。
年齢に偏りがないのが鷲の湯の特徴だろう。
全体的にみると、よくできた銭湯で点数をつけるとなると、すべてが80点以上という優等生(あくまでも個人的な採点です)。
そして、全体のバランス感覚が優れている。
いろんな銭湯をみてきて感じるのは、特別な設備をもって人気のある銭湯だと人に揉まれながら入浴を余儀なくされたり、歴史があって由緒ある建物だと老朽化で不便を強いられたりと、強い個性を持つ銭湯というのは、どこかで問題を起こしたりすることが多いが、鷲の湯はそうした偏重した部分がない分、全面的な安心感がある。そしてそうした安心感ある銭湯こそ、また来たいと思える銭湯ではないかという気がする。それが鷲の湯の良さであり、つい通ってしまう魅力かもしれない。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急子安
経路 商店街を抜けた先
周辺の環境 商店
●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう
★設備
休憩所 フロント横と食堂
脱衣所 ふつう
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 炭酸泉、ジェットバス、電気風呂、北投石、露天風呂、水風呂
サウナ あり
温度 38℃、43℃、44℃
棚 あり
男女入れ替え あり
■サービス
接客 笑顔
清潔さ きれい
貸しタオル あり(40円)
備え付け あり(2種類)
◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者中心ながら若い人も多い
【案内】
住所
〒221-0061
横浜市神奈川区七島町151
電話
045-421-2323
営業時間
11:00〜25:00
定休日
不定休
※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載