京急大鳥居駅を下車すると、北にまっすぐ歩いた呑川の先に新呑川湯がある。
古い銭湯ではあるが、地元に人気のある銭湯だった。
【新呑川湯】をザックリいうと
◎サウナ、水風呂あり
・少しくたびれた古さがある
・客に迎合しない
・水風呂が超広い
▲大鳥居駅西口
▲西口から出たところ
▲この大通りの左側を歩く
▲まずは横断歩道を渡り
▲左に進む
▲あとはまっすぐ行くだけだ
▲ニトリを横切り
▲区役所も横切って
▲川らしきものがみえてくる
▲浚渫船だろうか?
▲呑川を渡る
▲ちょっと微かに臭うような…
▲むかし、蒲田あたりで住んでいた人が呑川はめちゃくちゃ汚いドブ川で夏場は相当臭かったのだとか
▲いまでも下流の蒲田あたりは汚い。こんな臭い川が氾濫した日にはこの世の終わりでしかないだろう
▲ここを右折
▲左の建物がダスキン。そのダスキンの先を行くと
▲もう新呑川湯がみえてくる
▲到着
中に入って下足箱に靴を預けると、先に進めば目の前に券売機がある。
かなりくたびれた券売機だ。
「大人」460円を選んで左側を向くと、そこそこ広いロビー。マンション銭湯にしては余裕ある空間となっている。ソファーがあって、テレビが端っこにある。
※出典:大田浴場連合会ホームページ引用
そのロビー右手にフロント。座るのは、40代半ばぐらいの小柄でふっくらした女性。ハキハキした対応で、しっかりした印象だ。
※出典:大田浴場連合会ホームページ引用
貸しタオルをお願いすると、「中にシャンプーとかありませんから」と言われ、「はい。大丈夫です」とこたえると、「いえいえ」と言われた。
「中のお客さんがいますからシャンプーとか石鹸を…」とダメ押しをされたので「それでは石鹸を」と購入。30円。
ところで、このように言葉こそ丁寧であるが入浴客にハッキリ物を申すのは、大田浴場連合会のホームページにも示されている。
引用すると、
“全てのお客様が気分良くご利用頂く為に、マナーの悪いお客様には退店していただく場合があります。”
と明記してある。
ほかの銭湯だと来客を促すために自分たちの魅力をアピールするものであるが、ここはそうではない。
客が相手だろうと自分たちが正しいと思うものは厳然とした姿勢で臨むという決意表面であり、ゆるぎない信念みたいなものを感じさせた。
そんな感じで、受付でマナーチェックを受けたあと男湯は右側ののれんをくぐると、脱衣場もそこそこ広いところである。島ロッカーが2つあり、右側にもロッカーがある。
面白いのは、左側にある常連用の月極ロッカーだ。
ロッカー自体は変哲のないものなのだが、その横にタオル掛けがあった。ビッシリ掛けられており、おそらく使ったものを常連客たちがそのまま掛けているのだろう。
正直、衛生上どうなの?という感じだが、本人たちが気にしないのだから他人がどうこういう話ではないか…。
浴室のガラス戸を開けると、少々変わった作りをしている。
横幅が広く、奥行きはちょっと狭い。
浴室真ん中に島カランが2つ並び、壁際にも短いながらカランが設置してある。
ちなみにカランは当たり外れがあって、基本的にみんな勢いがあるのだが、ちゃんと放射状(シャワー)に出るものとボタボタ落ちてくるものがある。
それと手前左にサウナ。そして横に立ちシャワーが2つ並ぶ。
右手前は水風呂。
水風呂といっても、ここの水風呂は半端ない広さだ。どちらかというとミニプールと呼ぶほうが相応しいかもしれない。それぐらい大きい。自分の知る限りだと、スーパー銭湯を含めてもここより広い水風呂はみたことがない。
※出典:大田浴場連合会ホームページ引用
▲写真が見切れるほどの広さだ
真ん中には泳げといわんばかりに点線状の青線が二つ引かれてあって、小さな子どもなら軽く泳げるかもしれない(もちろん泳いじゃダメだけど、潜水するオジサンがやたら多かった)。
温度は確認すると、24℃ほどと他も比べてかなりヌルめ。水風呂マニアからするとガッカリする温度だろうが、全身を広げても壁に届かない広さはやはり魅力的だ。
サウナも追加100円で入れるのは良心的である。
そして肝心の熱い方の浴槽であるが、浴室の奥にあって、曲線を描いた作りになっている。
※出典:大田浴場連合会ホームページ引用
▲水風呂を見たあとだと、主浴槽がみすぼらしくみえる
※出典:大田浴場連合会ホームページ引用
▲こっちは女湯
右側が手前にせり出しており、その円形の浴槽が熱湯になっていた。
勢いのあるバイブラがあり、足を入れるとけっこう熱い。だいたい44℃前後だろうか。
一番大きな主浴槽は、42℃と一般的な銭湯の平均的温度。こちらはジェットバスがついている。
さらに左側にはガラス張りで囲われた浴槽があって、深浴槽である。
入り口には「ラドン」の文字までは読めるが、あとは経年劣化で消失しており判読不明。中に入るとラドン湯の解説板があった。
ところでこのラドン湯であるが、入ろうとしたところ、2人の入浴客がおり(2人しか入れない小さな浴槽)、1人がグッタリした感じで微動だにせず壁に寄りかかっている。それを別の入浴客が手をとって上下に振ったりさすったりしていた。
おそらく仲良しの2人…というか1人が一方的に構ってる感じであったが、いつまでじゃれ合ってるものだから一向に出る気配がなく困惑した。
それとグッタリした男性は本当に反応が一切ないものだから、もしも1人でいるところを見たら、「この人、ヤバいんじゃないか…」と心配したかもしれない。
1人が抜けるタイミングを見計らうと入ってみたのだが、かなりぬるいお湯で40℃ぐらいだった。微かに色がついてるような感じもしたが、無味無臭だったので光の加減のせいだったかもしれない。かなり深めである。
客層は、先ほどのようなじゃれ合ってるおじいちゃんがいたり、ほとんど高齢者であったがみんな楽しそうに言葉を交わしていた。客同士で仲が良い銭湯のようである。
最寄り駅と呼べるような駅は近くにないので来るにはかなり不便を強いられるが、下町の雰囲気を味わうにはとてもいい銭湯だった。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大鳥居
経路 産業道路をまっすぐ
周辺の環境 マンション、ダスキン、呑川
●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 現代美術
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう
★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 広め
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 熱湯、ジェットバス、ラドン湯、水風呂
サウナ あり
温度 42℃、44℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 しっかりした対応
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし
◆人
受付 40代半ばぐらいの女性
客層 高齢者ばかり
【案内】
住所
大田区大森南1-21-11
電話番号
03-3741-9406
定休日
金曜日
営業時間
15:00 ~ 24:00(月~土)
05:30 ~ 10:00(日 午前)
13:30 ~ 24:00(日 午後)交通機関京急バス 北糀谷停留所 より徒歩 5分
※大田浴場連合会ホームページ転載