東京メトロ銀座線の稲荷町駅を下車して、北に直進すると5分ほどで寿湯に到着する。隣の上野駅と比べるとかなり静かな地域だ。
建物は昔の外観ながら、積極的な改築とスペースを最大限に活かしたユニークな銭湯だった。
▲今回のスタート地点は、寄席発祥の地でもある下谷神社
▲そこを振り返ったところ
▲立派な鳥居が特徴的だ
▲右に曲がる
▲そのまままっすぐ進むと
▲稲荷町駅にぶつかる
▲そこを左に曲がると
▲横断歩道
▲あとはまっすぐ進むだけ
▲この先の道を左折すると
▲寿湯がみえてくる
▲到着。入り口右側には、自転車の空気入れがあって、細かなサービス精神が伺える
▲ちなみに後ろを振り向くと
▲スカイツリーが見える。写真だと小さく写るが、肉眼でみるとかなり近くに感じる
中に入ると、建物がそれほど大きくないので、やはり下足箱のスペースも小さい。
▲こんな感じ
靴を預けて右側の扉を開けると、段差になっている。足下には要注意。
右側に自販機。タオルセット込みで510円?!
タオルセットの中身は、フェイスタオル+バスタオル+ナイロンタオル。衝撃の安さだ。他の銭湯なら込みで800円前後が相場だろう。
そして目の前にフロント。受付には2人女性がいて、対応してくれたのは金髪に染めた若い女性。
フロントからむかって左手には休憩所のロビー。小さいスペースで、テレビと椅子が並び、マッサージチェアもある。家庭的な雰囲気があって、ここは全体を通して手作り感がある。
それと休憩所奥にはパソコンも設置してあった。どうやら無料で使えるらしいのだが、スマートフォンが普及してる今の時代に銭湯でパソコンの需要があるだろうか?
男湯は、ロビーに向かって右側(つまりフロントの横)。
のれんをくぐると、まずは常連用のロッカーがある。その上に小さなテレビ。奥の壁際に一般用のロッカーが並ぶ。真ん中には座れるテーブル。
入って正面奥にはガラス窓があって、露天風呂が見える。浴室入り口の横には洗面台。ティッシュや綿棒など店側のサービスで置かれてあった。
そして左側には階段があり、上階も脱衣場でロッカーがある。
自分が来たときは、とにかく人人人でごった返していた。ザッと見ても十人以上はいた感じだ。それなのにスペースは通常の銭湯より狭い。恐ろしい混雑ぶりである。着替えた人が出て行っても、また別の人が入ってくる始末。見回りのスタッフ男性も行ったり来たりと、いっときも同じ場所に立っていられない。
そのため、脱ぐだけでも一仕事である。空いてるロッカーを確保して、その中に服を詰め込むのだが、テレビを見ながら動きを止めて着替えてる人がいる。
脱衣場にテレビはいらないだろう~!
なんとか脱ぎ終えると、ようやく浴室の中へ。
そして浴室も同様に、めちゃくちゃ混んでいた。カランはなんとかすぐに確保できたものの、タイミングによっては全部埋まってて使えないときもある。
しかも、こんなに混んでる状況でも私物を置きっぱなしにする人がいるのだから信じられない。
浴室を見ると、かなりシンプルである。入って真ん中に2つの島カラン。両壁にもカランがあり、あとは手前左側に立ちシャワーが一つ。
それと、奥に浴槽。
浴槽は、右が白湯で41℃ほど。左が薬湯で45℃ほどである。
最初に冷え切った体で薬湯の方に入ろうとしたら熱くて無理だったので、白湯の方から入ることに。
白湯は、右からボディジェット、隣の左が普通のジェット、そしてそのさらに左に寝湯が2つある。
水枕はあるものの冷たくなかった。
左の薬湯は、この日はラベンダーで、浅浴槽と深浴槽が手すりで区切られていた。
そして壁絵は、おきまりの富士山。浜辺も描かれており、端っこの方でグローブをつけた男2人がボクシングスタイルで向き合っている。
そして、ここの醍醐味はなんと言っても露天風呂だろう。外を見ずして寿湯は語れない。
まず入り口に戻ると、右側に露天風呂への通路がある。その途中の左側にサウナ。右が外に出る扉。出る場所は、先ほどの脱衣場で見えた露天風呂である。
この露天風呂はてっきりお湯かと思ってたら水風呂になっている。しかもそこそこの広さ。それとまわりには外気浴できる椅子も置かれてあった。
さらにその外にもう一つ抜けるような通路があって、そちらが本命の露天風呂である。その露天風呂がかなり大きくて、十人以上は余裕で収容できるのではないかと思う。スーパー銭湯に匹敵する大きさだ。温度は低めで、40℃前後。
後ろ半分が建物の内側に入るが、手前半分は遮るものがない。
ところで、再び同じ写真を貼ることになるが、
銭湯の裏側に集合住宅があると思うのだが、そこから露天風呂が丸見えである。
手すりに体を乗り出さない限り見えないとは思うのだが、風紀上大丈夫なのか?と思ったりした。
そして露天風呂の前にはいくつもの椅子が並んでいて、これだけ混雑してても座る椅子に困ることはない。
露天風呂の横にもマットが敷かれており、そこでも外気浴できる。
露天風呂の対面にある壁の端っこにはハンドシャワーが取り付けられていた。なぜ、ここに?と思ったが、それはすぐに解明された。
しばらく体を冷やしていると、後ろの方で音が響くので、どこから聞こえてくるのだろうと思い振り向くと、なんと驚いたことにもう一つのサウナを発見。実はここの銭湯、サウナが2つもあるのである。壁にあるハンドシャワーは、サウナからあがってきた人が汗を流すためのものだった。
ただ音はサウナからではなく、サウナの隣にある地下室にも水風呂があって、その「洞窟水風呂」と命名されたところから聞こえていたのだった。
つまりサウナが2つに水風呂が2つ。しかも露天風呂は大きくて開放感がある。
さすがこれだけ設備がそろっていると、お客さんが多いのもナットクである。
ところで、ここの銭湯でもう一つ特徴が「セイント☆セントー」の漫画が貼ってあることだ。
これは「ひだまりの泉 萩の湯」でも見た掲示物で、長沼兄弟が経営している銭湯だからである。
長沼三人兄弟がそれぞれ、「ひだまりの泉 萩の湯」(鶯谷・次男)、「寿湯」(稲荷町・三男)、「薬師湯」(とうきょうスカイツリー・長男)を経営していて、各銭湯ではこれらを共有している。コストパフォーマンスの高さも同様だろう。
そのため、萩の湯同様に、この寿湯も多くのお客さんでごった返していた。
メディアインタビューに答えた記事(浴室に貼ってあった)を読むと、萩の湯が1日の入浴客が1000人ほど。寿湯は200人ほどらしい。
しかし、施設のキャパシティと客数で比例すると、どう考えても寿湯は受容人数をオーバーしている。
設備は素晴らしいし、スタッフもよく動いていると思うのだが、これほど混雑してしまうとゆったり浸かるということはまず無理で、揉まれながらお風呂に入ることを強いられる。銭湯の良さというのは足を伸ばせることにあると思うのだが、ここではなかなか難しい。だったら家風呂でもいいんじゃないか?となる。
そのため寿湯にまた来たいかというと、正直ノーである。敷地が狭いのに設備が良すぎるとこういった弊害があることを教えてくれる銭湯だった。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 稲荷町
経路 北にまっすぐ
周辺の環境 商店街
●空間演出
建物外観 立派な宮造りの建物
壁画・眺望 富士山とボクサー
統一感 あり
置物 あり
照明 ふつう
★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 狭く、人でごった返してる
シャワーの出 ちょっと古い
浴槽の種類
サウナ あり
温度 41℃、45℃、40℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ とてもきれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり
◆人
受付 20代と50代ぐらいの女性
客層 高齢者や若者
【案内】
住所
〒110-0015
台東区東上野5−4−17
電話番号
03-3844-8886
アクセス
東京メトロ銀座線「稲荷町」駅下車、徒歩2分
休日
第3木曜
12月は休まず営業
営業時間
11:00−25:30
最終受付25:05
※東京銭湯ホームページ転載