「お通さん」は吉川英治の小説「宮本武蔵」に登場する創作人物である。
にもかかわらず、大原の里には「お通笛の会」があり、姫路城下には「お通像」が建っている。
小説「宮本武蔵」の、姫路城下「花田橋」の章に、武蔵とお通さんの出逢いと別れの名場面が切々と描かれている。
お通さんは、母の忘れ形見として「しの笛」を携えている。
お通さんが奏でる、しの笛は母を慕う音色でもある。
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しの笛で奏でる曲には俗世間を離れた、清澄な世界を奏でる曲が多い。
しの笛が奏でる世界もそういった音世界が多い。
播州しの笛は「宮本武蔵を慕う お通さんの笛」という面がある。
だから播州しの笛は情念のこもった曲を演奏することが多い。
恋歌がことに多いかもしれない。
恋歌を奏でるにはやはり感性がいる。
若すぎる人の しの笛演奏では情感を奏で切れない場合が多い。
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