音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

ニーチェ~神の死 と 死神の復活

2012年06月11日 | 日常雑感

ニーチェは人間性を抑圧するもの、非合理的なもの、すなわち神を実存的立場から「神は死んだ」と宣告した。

このニーチェの哲学的思考は現代的な、優れて合理的なものといえる。

人間の思考からはみ出るものを総て神、あるいは創造主、あるいは霊的不可思議存在などに帰する「思考放棄」を、宗教心から切り離した思考は強靭なものと言える。

ニーチェによって拓かれたこの、神の呪縛から開放された思考は、人間性の復興を予感させるものだったはずだ。

しかし、人間はニーチェが死を宣告したはずの神を、愚かにも復活させてしまった。

世界の創造主といった神ではなく、科学妄信、拝金という宗教の神だった。

そしてニーチェが死を宣告した神さえも、現代人は復活させてしまった。

さらにカルトと呼ばれる神々さえ現代には復活を果たした。

世界は戦争と混乱に覆われようとしている。

それはまさに「哲学の喪失」という現状をあからさまに示すものといえる。

ニーチェによって高らかに宣言された「神の死」。それは人間性の復活を実現するはずだった。

しかし現代はニーチェが宣告した「死神」がよみがえっているのだ。





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