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日本の初代天皇~神武天皇については多くの謎があり、この研究は、宇宙の謎解きと同じくらい興味深く、面白い。
なぜかというと、キリスト教において、聖書はイエスの死後数十年以上を経て成立したため、「キリストは一体誰なのか」という研究が進められているのと事情が似ているからだ。
神武天皇、その生涯は、庚午年1月1日誕生~神武天皇76年3月11日崩御、127歳であったとされる。
即位は「辛酉の歳(神武天皇元年)の正月」・・・紀元前660年2月11日とされている。
始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)と称し、52歳であったとされる。
この天皇については歴史学的には神話的要素が色濃い、創作人物であるという立場の研究者と実在の事件の集合体であると見る研究者がいる。
自分は後者の立場で神武天皇を見ている。
「東征」を行った地方豪族、あるいは地方王権の首長であったのであろうと見ている。
ただ、父親が「彦波瀲武鸕鶿草葺不合命(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)」、母親が「玉依姫命」というところが面白い。
母親の「玉依姫命」は綿津見大神(海神)の子で、豊玉姫の妹。つまり人間ではない海神の娘だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%89%E4%BE%9D%E5% …B%E5%91%BD
つまり神武天皇は人間と海神のハイブリッドということになり、ここが神武天皇の実在性が疑われるところだ。
かりに実話だとすると、これは奇想天外、宇宙人説にまで飛躍しそうな感がある。
神武天皇という名は奈良時代以降におくられた諡号であり、
『古事記』では神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)と称され、『日本書紀』では神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)、始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)、若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、狹野尊(さののみこと)、彦火火出見(ひこほほでみ)と称される。
即位後は始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)と称した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%AD%A6%E5% …9%E7%9A%87
この「はつくにしらすすめらみこと」という名がもう一つの謎となっている。
初代天皇をあらわすこの名を持つ天皇がもう一人いるからだ。
すなわち第10代崇神天皇が「はつくにしらすすめらみこと」なのだ。
初代天皇を表す天皇が二人いるのは、どういうことか。
ここが謎であり、言い換えると矛盾とも言える。
この点についても研究者によって諸説がある。
自分は、実際の初代天皇は「崇神天皇」であり、それ以前の大和建国者の事跡を一人の天皇に集約したのが「神武天皇」であろうと考えている。
したがって「神武東征」も何らかの歴史的事件であったろうと考えている。
さらに遡って「日本神話」を考察してみるとさらに面白い。
これは「古代王権」の「神話化」なのか、それとも「創作文学」なのか。
いずれにせよ、この神話をまことしやかに記紀に編入させた人物は誰なのか。
この謎解きは、梅原猛先生達が、すでに考察と答えを出されている。
こういった不確かな「神武天皇」を日本の建国王とし、歴史改竄の書と見られる「古事記・日本書紀」を「聖書」としたのが「国家神道」であった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%…E%E9%81%93
この誤った歴史観を日本国民統合の精神的支柱としようと企てたのが、「大日本帝国軍国主義ファシズム」であり、すなわち「国家神道」であった。
日本国を太平洋戦争の泥沼に引きずり込んだ元凶は「国家神道」であったと自分は見ている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%…E%E9%81%93