しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

舞い立つ命と輝く心―並田佳子展

2007-07-15 19:49:59 | 美術
 台風一過、六甲山も神戸港も真っ青でした。
 JRで芦屋まで出かけました。
 駅ビルのモンテメールギャラリーで開かれている並田佳子展を見るためです。
 すばらしい絵と出合えました。

 そのひとつは、まず2枚のチョウの絵です。
 陽光のまぶしいきらめきのようでした。
 そしてもうひとつは、3枚の黒猫のマリーの絵です。
 月光のなかにただよう深い影のようでした。

 チョウの絵の前ですぐ思い出したのはインカの壮麗(そうれい)な石の神殿のことでした。
 インカの人びとはチョウを神さまに供(そな)えました。
 アンデスのチョウは金属片のようにきらきらと輝きます。
 まるで太陽の分身です。
 ですから光を神さまの前に捧(ささ)げて、命(いのち)を高めようとしたのです。
 佳子さんのチョウも青に、赤に、紫に、光のように輝きます。

 黒猫マリーの絵の前では、絵の下のコメントに見入りました。
 マリーは佳子さんが7歳のときに、生まれてまもなく並田さんチに加わりました。
 ダウン症を担(にな)っている佳子さんはひと一倍の努力をしながら成長を重ねましたが、マリーもその横でいっしょに大きくなったのです。
 心のかようきょうだいのようでした。
 そのマリーは去年、15歳で死にました。
 月へ旅立ったかのようにマリーは月とともに描(か)かれます。

 佳子さんのきらきらときらめくチョウは、まさしく真昼に舞い立つ命の輝きのようなのです。
 月の光のなかによみがえる黒猫マリーは、夜になっていっそうはっきりと見えてくる心の深みのようなのです。

 そうなんです。
 奇跡のようです。
 佳子さんの作品には命と心が自然に現れてくるんです。
 それがぼくたちに勇気を与えてくれるんです。

 このような作品と出合えることはほんとうに幸せです。

               ☆
 なお並田佳子展「光の散歩道」はモンテメールギャラリーで16日まで。電話0797.32.8011

金本捨て身、阪神優勝へ

2007-07-15 14:38:34 | 阪神タイガース
 タイガースが立ち直るけはいです。
 金本選手が捨て身で動いたからです。
 岡田監督には選手全体を統括(とうかつ)するほどの力がありませんから、監督がどれほど号令をかけようと選手が命がけになるようなことはありませんが、選手たちの尊敬を一身に集める金本選手が本気でリーダーシップに乗り出すとなると話はぜんぜん違ってきます。
 おそらく目に見えてゲームに変化が出てくるでしょう。

 金本選手の捨て身第一弾は7月8日の対ドラゴンズ戦でのことでした。
 満塁のチャンスに四番金本がレフト前へクリーンヒットを打ったにもかかわらず、二塁走者の鳥谷が緩慢(かんまん)な走塁でホームによう還らなかったのです。
 それを指して金本が「集中力を欠いている」と注文を出したのです。
 金本がナインに苦言を呈(てい)したのは異例のことです。
 異例どころか初めてのことです。
 この一言で鳥谷はじめタイガースの若手選手全員がピリッと背筋を立て直しました。
 鳥谷もそのあとの巨人戦で見違えるような鋭い打撃と鋭い走塁と鋭い守備を見せました。
 金本は鳥谷を叱(しか)ることで、鳥谷を輝かせることにもなったのです。
 この中日戦は結局6-3で勝ちましたから、金本選手の一言がなければ、監督ともどもにただ「よかった、よかった」だけで終わったでしょう。
 しかし勝った試合でなおかつチームに緊張が生まれたことで、次の対ジャイアンツ戦3連勝につながっていくのです。

 金本選手の捨て身第二弾は7月14日に、彼がヒザの半月版に重症を負っているそのことをついに公表したことです。
 いつも全力で打撃に臨み、全力で走り、全力でボールを追っている金本選手が実はヒザに鋭い痛みをかかえていたなんて、これは周りのだれにも大きな驚きとなりました。
 隠しておけばやがていろんな憶測(おくそく)が飛んでみんなが勝手なことを言い始める、それを避けるために公表に踏み切った、と金本選手はそう胸のうちを明かしていますが、それはだれの想像も超えるほどの大ケガでした。
 公表すれば敵チームはその弱点に攻撃を仕掛けてきますから、ほんとうはとても不利になるのですが、金本選手はそれを承知でなお全力プレーを誓っています。
 この姿を見て奮(ふる)い立たない選手がいるとしたら、それはもうスポーツ選手ではないでしょう。
 タイガースは確実に団結することになるでしょう。

 昨年は藤川の涙の訴えでチームが一丸になりました。
 岡田監督にカリスマ的なリーダーシップはありませんが、代わってカリスマを持つ藤川が主体的に動いたとき、ナインの団結が実現したのです。
 だれもが少年時代には天才と言われた選手の集団であるプロ野球チームのことです。
 チーム間には、実はそんなに大きな力の差はありません。
 ペナントレースは、一丸にまとまったチームが勝つのです。
 今年はそのきっかけが藤川よりもっと大きなカリスマを持つ金本のこの「二言」になりそうです。
 団結したタイガースは個々の選手が野武士のような力を発揮しながら優勝という一点に進みますから、これは強くなります。

 目下タイガースは首位へ6.5ゲーム差のBクラスですが、にわかに優勝への望みが高まってきました。