きのうの夕方のことでした。
阪急三宮の駅前のバス停で、中年のご婦人が乗ってきました。
急いで運転手さんのところへ行って、言いました。
「ナントカというバス停で降りなさいといわれたんですけど、忘れてしまって…」
大阪か、京都か、どうやらそっちの方角から神戸を訪ねてきたひとのようです。
「ナントカという神社の次の、ナントカという停留所なんですけど、そこ、このバス通りますか」
「三宮神社のことですか」と沿線の神社の名前をあげる運転手さん。
「いいえ、それとは違います」
「護国神社ですか」
「いいえ、それとも違います。…ナントカという神社の次のナントカという停留所なんです。行きません?」
「ナントカの向こうのナントカでは…。ウーン、困りましたねえ」
「ナントカ神社の次なんですが」
運転手さんはちょっと発進を躊躇します。
けど、文句を言う乗客はありません。
にわかの禅問答にみな興味津津のようすです。
駅周辺の日曜の雑踏はなかなかのものですが、いまやバスの中は別世界のような静寂です。
三宮神社と護国神社のほかに神社と名のつくところがこの路線にあったろうか、とみな考えているのです。
ご婦人は、もう頭の中が真白になっているけはいです。
つぶやくような小さな声で言ってます。
「ナントカ神社の次なんですけど…」
「あっ」と声をあげたひとがありました。
同じような年かっこうの婦人です。
うしろの席から断固とした声で言いました。
「五毛天神じゃありません、それ」
ご婦人が喜色満面になりました。
「そうです、ゴモウ天神です」
「五毛天神のひとつ向こうが五毛です」
「そうです、そうです、五毛です」
バスが動きだしました。
ぼくもホッとしながら、しぜんに笑いがのぼってきました。
けれど、急にアハハと笑い声まで出そうになって、あわてて心を抑えました。
変な連想をしたからです。
ナントカの向こうのナントカ…。
ふいに、麻生さんそっくりだ、と思ったのです。
行方定まらぬ迷走のマンガ首相。
ナントカのナントカのナントカのナントカの…。
ナンカそんな感じで。
あっ、奥さん、マンガ首相なんかと一緒にしてしまって、ごめんなさい。
阪急三宮の駅前のバス停で、中年のご婦人が乗ってきました。
急いで運転手さんのところへ行って、言いました。
「ナントカというバス停で降りなさいといわれたんですけど、忘れてしまって…」
大阪か、京都か、どうやらそっちの方角から神戸を訪ねてきたひとのようです。
「ナントカという神社の次の、ナントカという停留所なんですけど、そこ、このバス通りますか」
「三宮神社のことですか」と沿線の神社の名前をあげる運転手さん。
「いいえ、それとは違います」
「護国神社ですか」
「いいえ、それとも違います。…ナントカという神社の次のナントカという停留所なんです。行きません?」
「ナントカの向こうのナントカでは…。ウーン、困りましたねえ」
「ナントカ神社の次なんですが」
運転手さんはちょっと発進を躊躇します。
けど、文句を言う乗客はありません。
にわかの禅問答にみな興味津津のようすです。
駅周辺の日曜の雑踏はなかなかのものですが、いまやバスの中は別世界のような静寂です。
三宮神社と護国神社のほかに神社と名のつくところがこの路線にあったろうか、とみな考えているのです。
ご婦人は、もう頭の中が真白になっているけはいです。
つぶやくような小さな声で言ってます。
「ナントカ神社の次なんですけど…」
「あっ」と声をあげたひとがありました。
同じような年かっこうの婦人です。
うしろの席から断固とした声で言いました。
「五毛天神じゃありません、それ」
ご婦人が喜色満面になりました。
「そうです、ゴモウ天神です」
「五毛天神のひとつ向こうが五毛です」
「そうです、そうです、五毛です」
バスが動きだしました。
ぼくもホッとしながら、しぜんに笑いがのぼってきました。
けれど、急にアハハと笑い声まで出そうになって、あわてて心を抑えました。
変な連想をしたからです。
ナントカの向こうのナントカ…。
ふいに、麻生さんそっくりだ、と思ったのです。
行方定まらぬ迷走のマンガ首相。
ナントカのナントカのナントカのナントカの…。
ナンカそんな感じで。
あっ、奥さん、マンガ首相なんかと一緒にしてしまって、ごめんなさい。