社会科学上の不満

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飛行機事故から見えること

2007-03-14 17:42:13 | 外交と防衛
 ボンバルディア機の前輪が出ず胴体着陸で、飛行機の安全性に疑問を改めて抱かれた方が多いようです。現在旅客機は大型はボーイング社製とエアバス社製が主流です。ロシア製アントノフもありますが先進国は概ねこの2社を採用しています。乗客100名未満の中型は、この事故を起こしたボンバル社製の機体しか無いようです。アントノフや中国製アントノフはやはり先進国の市場では相手にされていないようです。しかし、このクラスの機体の名機は40年以上も使われている(現在第三世界で使用されている)日本製のYS-11が有名です。エアバスはEUが主体であるためにドイツも製造にタッチできています。日本とドイツは第二次世界大戦の敗戦国であるため、単独での航空機製造には多くの国際的な障害があります。YS-11も販売という点での障害が大きかったようです。ドイツのメッサーシュミットやフォッケウルフそしてそのメッサーシュミットによる世界で最初のジェット戦闘機の実用化や日本の零戦、紫電改、5式戦、疾風はその技術が卓越していました。故に戦勝国(国際連合)はドイツと日本の航空機産業への参入を邪魔して来ました。日本の実験機「飛鳥」が、また、YS-11の順当な後継機が市場参入できていたら、このクラスの航空機も選択の自由があったのではないでしょうか。
 航空産業が、飛行機製造産業が、第二次世界大戦後の「世界の仕組み」の姿をストレートに見せてくれる数少ないケースではないでしょうか。普段航空機に興味のない方は航空機事故が発生すると全部の「飛行機(機種や運行会社を含め)はアブナイ」と話題にします。しかも何の根拠もなく、ここにも日本人の神秘好きが目につきます。根拠のないウワサや当たりもしない「感」を信じ「空気」と言う雰囲気だけで生きていきます。大阪万博のあった30年前ならいざ知らず、バブル崩壊を経験し「資本主義のあやうさ」をも経験し、世界中から技術立国と羨望のまなざしで見られている日本の実状が、この「空気」に惑わされるだけならまだしも、その「空気」を上手に泳いだ者が賢いと言うのでは、日本の未来を信じることは難しいでしょう。
コメント
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