交戦規定の改定

　前原国交大臣が尖閣諸島問題で「次は厳格に・・・」などと語っていたが、ロシアと同様「領海侵犯船に銃撃でも」と考えているのだろうか？この口先政権は一大臣の力では何もできないのではないか？
　その前に海上保安庁の後ろ盾として自衛隊のＲＯＥの改定が先である。ＲＯＥとは交戦規定のことである。これが実にお粗末なのだ。未だに５０年前の自衛隊が警察予備隊と呼ばれていたころの常識で作成されている。
例えば領空侵犯機に空自の迎撃機が複数で対処する。迎撃機にミサイルが発射されても他の僚機は反撃できないのだ。正当防衛に該当しないからだそうだ。ドッグファイトならいざ知らず現代の空戦はミサイル戦である。ミサイルが発射されたら先ず助からない。海上戦も海中戦も同様である。
このような時代遅れの規定で自衛隊は任務についている。これは左翼的思想が国民に受け入れられていた１９７０年代から、マスコミや左翼政党がＲＯＥの改定に反対してきたことによる。思い出してみれば小学生のころ日教組に熱心な教師が、「お父さんが警察官の人と自衛隊の人立ってください」と言い、生徒が立つと「この人たちのお父さんは悪い人です」とやったものだ。浅間山荘事件で現場の指揮官だった佐々さんのご子息も同様の目に合ったと書かれていた。そんな時代だった。
その後このＲＯＥの改定の話は耳にしない。日本の左翼勢力やマスコミの方は警察官や自衛隊隊員の命は安価なものと思っている。北朝鮮の不審船事件が起こると「なぜ自衛隊は何もできない」とマスコミの前では喰ってかかりパフォーマンスはうまいが、その自衛隊の行動に手かせ足かせをつけたのはこの左翼勢力とマスコミの方々だ。
　ＲＯＥの改定が現実に即さない以上、年５兆円の防衛費はただの脅しの道具としかなり得ない。しかもこの「脅し」が今回の政府の対応で最早通用しなくなった。
「脅し」が通用しない以上現実の交戦の可能性に備えなければならない。

外交に日本の常識は通用しない

　民主党政権がルビコン川を渡ってしまった。最早「サイは投げられた」のだ。今後拡大路線を突き進む中国と渡り合うにはそれ相応の覚悟＝武力衝突が避けられない。そう考えるのは少数の日本人だけだろうか？いざとなれば「領土を明け渡せばよい」と考えている一部の民主党議員や共産党・社民党議員、マスコミの解説者が存在していることも確かである。
１７世紀の通商国家オランダにイギリスは産業面で勝利を収めることができなかった。奇しくもオランダは菅総理が昔から言っていた地方分権が進みすぎ安全保障も分権していた。イギリスと対峙した時オランダとしての（国家としての）統一的国防体制がとれず、崩壊してしまう。時の総督オレンジ公の最後をモデルにしたのが、原作デビルマンの牧村美樹の最後である。怒った民衆が行ったリンチである。日本人もそのくらいの怒りの行動ができる。６０年安保の時、国会議事堂を囲んだ人数を忘れたのか？民衆の足踏みでビルが揺れるほどであった。
　治安維持法が何の事件を期に制定されたか、良く思い出してほしい。左翼対策の為など戦後の後付だ。極右対策として制定された法律である。時の浜口雄幸総理や井上準之助蔵相の暗殺に対して制定された法律である。このことからも日本人は今回の政府の行動を許容できない、そんな国民性がある。しかし民主教育でどこまで是正されただろうか？疑問が残る。猫か犬が保健所に殺されたと言って厚生労働省の幹部が暗殺されたのは最近ではないか。今回の件はその訳の分からない理由より動機が明確に予想できる、身辺警護を今まで以上に厳重にしなければならない。わが身（思想信条）可愛さで検察に圧力をかけた官房長官である、わが身を守るのは得意かもしれないが。
　この後の対策として、石垣島・宮古島間の海峡にソナーの設置と米軍が現在使用している尖閣諸島の爆撃練習所の拡大もしくは米軍施設の設置。海上自衛隊の沖縄での増強と何より交戦規程（ROE）の現実にあった改訂。レアアースの代用品の開発これらが必要であり、日本企業の中国からの引き上げ政策が何より必要である。そしてOEDの停止である。