知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

一緒に暮らすということ。

2008年11月11日 | Weblog
施設は、基本的には集団生活になります。

理想は、各個人が自分の部屋を持って、自由に出来ることなんでしょうが、援助も必要であり、またハード面でもソフト面でも、そこまでの状況が作り出せないのが現実でしょう。



私のところの施設は、1人部屋、2人部屋、そして3人部屋があります。
基本は、3人部屋ですが、後から建てられた棟には、それぞれ1人部屋や2人部屋が出来ました。

元は、(遠い過去ですが・・)4人部屋だったことを考えると、随分施設も変わったなあ・・という気がします。
今では、そんな頃の状況は想像出来ませんね。



で、今回はそういう部屋割の話・・・・


集団生活といっても、人間好き嫌いもあれば、相性もあり、また個人の生活の保障(プライバシーも大切です)も考えなければなりません。(現実はなかなか難しいです)
もちろん、1人部屋へ入れれば、問題はないのですが、むしろ1人部屋へ入る人は、他の方と同居が困難な方・・・つまりは大きな行動上の問題をかかえておられる方・・ということになります。(また逆に、援助部分がほとんど必要なくて、自立出来る一歩手前の方もいます)


ここで、問題なのが、2人部屋や3人部屋の組み合わせです。

毎年、部屋替えを考えるときに悩む問題です。(一応、大きな問題がなければ、2~3年は同じ部屋で過ごしてもらっています)

様々な要因を考慮しつつ、こちら(職員側)から見た相性の良し悪し、また影響力の問題、趣味の問題、行動上の問題、さらにTVをよく観るか?などの点まで入れて、検討します。
一緒になられて、意外に相性が良かった人、また逆に全然悪かった人・・・お互いに一切かかわらない人・・・様々ですが、むしろ援助の必要性が少ない方、いわゆるレベルの高い方のほうが、自分の意思が強く、意見を持っておられるため、難しい場合が多いですね。


援助の特に必要な方は、お互いにあまり関心がなく、自分のテリトリーを侵されない限りは、一緒に暮らすことに問題は生じない場合が多く見られます。



施設の利用者の方は、余程のことがない限り(高齢化や死去、あるいは保護者の意向での退所等・・)、施設での長い生活を強いられます。(嫌な言葉だねー)

少しでも快適な生活を送るには、一緒に暮らす、いわば同居人?の存在は大きいといえるでしょう。その意味でも、私たち施設職員は、部屋のメンバーを考えるときは、十分な検討が必要になってきます。



「あの人と同じ部屋になりたい・・」とか「あの人は嫌だ」とか、「この部屋の場所がいい・・」などなど・・・ それぞれ利用者の方の意見も聞いています。ただ益々混乱しますが・・・  

絶対的なものは、ありませんが、最大公約数的なところを探り当てて、決めていきます。
それでも、駄目な場合は、途中で変更もあります。


皆さん、今年の部屋は満足ですか・・・?

コメント (2)
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