知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

言葉がけは難しい?

2008年11月15日 | Weblog
利用者の方へ、生活の援助や仕事上の方法等を支援する際、必ず適切な言葉がけが必要になります。


この適切な言葉がけが、非常に難しい・・・?というのが今回のお話。



例えば、生活の援助では、着脱の際の前後表裏をうまく合わせて着ることが出来るか?その際の言葉がけは、どうしたらいいのか?

うまく着ることが出来れば、当然大いに褒めて「よく出来ましたね!」と言えますが、逆に前後を間違えた場合は、「それはおかしい!」なんて言い方は駄目ですし、「ちょっと違うなあ・・」も、ほんとにちょっと違うし、こんな場合は?

・・・と考えると、なかなかひとつの動作に対しても、適切な言葉がけというのが、すぐには出てきませんね。


一番は、本人が失敗したときや、うまくいかなかったときの方向付けですね。「こうした方が、うまく出来るんじゃあ?」という、前向きな気持ちになれるような言葉がけが必要です。


人間は、誰でも褒められるほうが嬉しいです。その方がやる気も出てきます。失敗すると悔やむことが多いのも一緒です。



今日、朝からの仕事に強く拒否をして、部屋から出てこなかった利用者の方がいました。
何人かの職員で、交代で説得?をして、本人の気持ちや体調も尋ねて、拒否する理由を探りましたが、結局原因は不明のまま・・・。しかし、何回か話をすると、(時間はかかりましたが)最後には仕事に参加してくれました。

利用者の方の性格にもよる場合もあり、また障害の度合いにも関係し、さらに前後の事象に関連することもあり・・・拒否があるから、単に強制しても、解決になりません。
こんな場合の言葉がけも非常に難しいと思います。


利用者の方によっては、支援員の行動や言動に敏感な方もいて、普通に言葉がけしていても、全然反応してくれない方もいます。こだわりの強い方や、パターン化された状態を好む方、場面転換がうまく出来ない方等・・・逆に柔らかい優しい言葉がけには、全く反応せず、強い口調ならば、ようやく反応する方もいます。

おそらく、こういう場面でも、うまく言葉がけすれば状況が改善するかもしれませんが、どうしても毎日の生活の連続では、同じ対応にならざるを得ません。


利用者さんの側も、この職員さんは、きっとこういう言葉がけをしてくるだろう・・という予想をされることもあるようで、何か変に見透かされているような気になります。
最後は、結局「早くしなさい!」なんて言葉がけになってしまって・・・あああ、駄目だ!と自分で自己嫌悪に陥ることになります。



状況をうまく読み、またその利用者さんの特性もよく考え、今必要な行動は、どうすればいいのか?を考え、それに対する言葉がけをしていく・・・・やっぱ難しいですね。でも、努力しないと・・・
コメント (2)
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