知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

こんな利用者の方の対応は・・・

2011年09月09日 | Weblog
先入観を持ったまま、利用者の方を対応するのは、ちょっと問題がありますが、長年一緒に過ごしていると、特性がよく分かる方もいます。


今回の話に出てくる方は、どこの施設でもおられるような典型的な方だと思います。



レベルは、自分でほとんどのことが出来、字もある程度読め、会話も出来、自分の考えをしっかり持っておられる方です。


長年、施設生活をされており、今は50歳に届こうか?という年齢です。



ただ、てんかん発作の症状があり、もちろんそれに対する服薬もされています。


職員との関係は、あまりよくありません。なぜなら自分の意見を押し通そうとされるからです(間違っていても)。


さらに偏食が強く、特に夏季は食が進みません。



食べられない原因は、もちろん自分自身にあるんですが、すべて食事の内容、味、そのときの職員の対応のせいにされます。



例えば、(いつもと同じでも)「こんな料理はまずい!」とか「ケチャップがかかってたら食べられない」とか、「(食事中)周りがうるさいから食べられない」とか、「職員がうるさく言うから食べない」等々です。



嫌ならば、すぐに片づければいいのですが、非常にプライドが高く、食べられない原因をくどくどと述べてから、しかたなく捨てに行く・・・といった感じです。毎食後、服薬もあるのですが、しっかりと服薬出来ないこともあったため、職員が援助しているのですが、それにも文句を言われます。


「口を開けてるのに、入れてくれない・・」とか「女子職員に・・」とか、「飲ませ方が悪い」なんて言われるときもあります。



職員によっては、そういう状況が何度も続くと、さすがに注意しますが、それにも自分なりの考えを言われます。


職員「薬はなんのために飲んでいるの?」
彼「分かっているけど、うまく飲ませて欲しい」
職員「途中で口を閉じたり、顔を横向けることがあるのは?」
彼「早く飲ませないから・・」

毎回、こうしたやり取りがあります。



また、食事をしっかり摂らないと、体重が大幅に減少し、フラフラになることも・・・。転倒されて骨折されたことも数回・・・。



普段の行動については、まだしも、やはり食事だけはしっかり摂ってもらう必要があります。



今までに様々な方法を試みました。


(もちろん本人の意向も聞き)食事に”ふりかけ”を付けたり、”海苔”を付けたり、またおにぎりにしたり・・・



でも、大きな変化は見られませんでした。



そこで今年度から、本人のプライドを逆に利用して、おやつの準備を手伝ってもらう・・とか、皆より早めに食堂へ行き、先に食べる・・・とか、すると今年の夏は、結構食べていました。


今までは、本人の職員に対する態度や言動に対抗する傾向がありましたが、逆の発想も大切だなあ・・と思い、こうした方法が効果があったことを考えると、職員も考え方の方向性を変えていかなくては・・・と反省しています。



利用者の方の対応も、360度いろいろな視点から考えていく必要がありますね。



今回、こういったケースがあり、ちょっと考えさせられることがありました。
コメント (2)
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