さてさて、フィガロの稽古が始まります。
W.A.Mozart - Cinque... dieci... venti... trenta...
序曲の後の始まりの部分です。これ、変な演出です。
(この部分、抜かしてました。。。。)
いろいろと、妨害工作が始まります。その一つが、
オペラでバレエはだめです、というおふれがあるので、音を鳴らしちゃいかんとかわけのわかんない話になったり。
W.A.Mozart - Le nozze di Figaro Act3 Finale
結婚式のシーン。まあここは結婚行進曲みたいなもんですかね。これはまったく踊ってませんが、最近の演出のものではあまり踊っていないようです。(おいらの知る限り。)
W.A.Mozart - Le nozze di Figaro Act4 Finale
「フィガロ~」のエンディングのシーン。映画で出てくるあの静かな部分は、1分45秒ぐらいしてから。
相変わらず変な演出のやつをリンクしてますが、2006年のザルツブルグ音楽祭のです。最近ではモーツァルトの一大権威となった感のあるアーノンクールの指揮だし、アンナ・ネトレプコが出てるし。
さて、皇帝が一回あくびをしたので9日の上演で終了したフィガロですが、モーツァルトは怒り心頭。
サリエリにあれこれ言ってます。皮肉でオペラの作り方を教えて欲しいなんて話をしてますが、そこですかさずサリエリのオペラが登場。
で、映画に出てきたのが、「オルムスの王アクスール」。実は、サリエリが最初に神父にピアノで弾いて聴かせた自分の曲がこれです。神父が知らなくて落ち込むんですね。
んで、最初映像を探した時はそれっぽいのがなかったんですが、念のために「クラシック音楽作品名辞典」(1996)を調べたら、「ん?」ということになったのです。
「オルムスの王アクスール」というオペラは、サリエリ自身の「タラール」というオペラを(ウィーンで上演するために)一部書きかえたものだったのです。
「タラール」なら・・・
Antonio Salieri - Tarare, Cenas finais
そうです。フィナーレの部分があったのです。バンザイ!
「タラール」なので(・・それが理由なのかわからないけれど)、映画のそれとはちょっと違います。
映画の場面は5分過ぎからです。そして映画だとこの映像の6分25秒ぐらいには終わっているはずですが、映像を見るとさらに2分以上オペラは続いています。
書きかえの分なのか、それとも映画の編集上のことなのかはわかりません。
後者ではないかなあ。というのは、この「タラール」はそもそもフランス語の台本で、書いたのは、「フィガロの結婚」の原作者ボーマルシェ。
映画ではボーマルシェは危険人物みたいな話になってましたが、サリエリの口利きで宮廷詩人になった人です。(わら)
映画に出てくる皇帝ヨーゼフ2世に目をかけてもらっていて、その間は安泰だったのです。ヨーゼフ2世の死後は、宮廷にいられなくなります。
一方、「オルムスの王アクスール」はイタリア語になおした台本です。こちらはダ・ポンテが書きました。ダ・ポンテは「フィガロの結婚」の台本のほうを書いた人物。
「ドン・ジョヴァンニ」なんかの台本もやってます。
だからエンディングを変えたりしている可能性は低いのではないかと。
ま、実際にこのオペラでサリエリはあの皇帝から勲章をもらったらしいです。
さて映画の筋にもどりますが、オペラの後、モーツァルトがへらへらと笑いながらシカネーダー(←知らない人はあとで説明)たちと帰宅すると、
父レオポルドの死の報をききます。
W.A.Mozart - Don Giovanni, Commendatore scene
きた~。今まで何度もこの出だしの音がなってましたが、ようやく本番。
フルヴェンです。なぜか迫力が違う・・・(大笑)
しかし、映画のこの場面は物凄いですね。まあ映画だから(一部だけ映像にすればいいので)出来るということもあるでしょうが、サリエリの解説も効果的で物凄い迫力と緊張感であります。
映画の残りの部分の流れがこれで決まるわけですね。
サリエリの新たなそして最後の策謀が幕を開けるのでありました。ぺんぺん(←三味線の音)
仮面パーティの時にレオポルドが身に着けたマントと帽子と仮面を用意して、サリエリが(使者?)モーツァルトの家に向かうシーンでは、
W.A.Mozart - Piano Concerto No.20 mov.1
この曲です。どきどき。
演奏ですが、同じ内田光子さんが2006年のベルリンフィルのジルベスターコンサートのときにラトルの指揮で演奏したものと悩んだんですが、ピアノがよく響いている(録音のせいですね)こっちにしました。
どうも、映像的には内田さんの表情がちょとこわいかも・・ですが。
曲としては、24番と並んで数少ない短調のピアノ協奏曲なんですが、知名度では21番に続いて2番目でしょうか。21番とこの曲が抜けてると思います。
さて、話のほうは、サリエリの策謀でよってモーツァルトに謎のレクイエムの注文が来るわけですね。
W.A.Mozart - Requiem - Karl Bohm
「レクイエム」の最初、「入祭文」です。ちょっとすごい人数で演奏してますね。
というわけで、続く・・・。
(次で終わるかなあ。。。)


| Trackback ( 0 )
|
 |
|
|
|
|