最近我が家で起こった家庭内パソコンのインフラ障害。大切な多くのデータがわずかの操作で失われた。
自分自身「なぜ」がわからない。状況整理のために、記憶の明確なうちに事の顛末を記す。
【背景】
うちには3台のHDDがあり、一つは買って3年くらい。HDD-Aとする。あと二つは買って3ヶ月くらい。HDD-BとHDD-Cとする。
容量はいずれも3テラ
HDD-AはI-O DATA製。あとはバファロー製。
HDD-Aは、映画撮影の素材ファイルとAdobe Premiereの編集場所に使っていた。過去作品のデータなどもあり2.5テラくらい使っていた
HDD-Bは完成作品や編集中の一時出力場所に使っていた。こちらは1テラくらい使っていた(空き容量2テラ)
HDD-Cは妻が写真データの保存や写真の編集用に使っていた。500GBくらい(空き容量2.5テラ)
1)発端は編集中の映画のために使っていたHDD1が異様に遅くなったことだった。
ドライブとしての認識に異常に時間がかかり、認識後もフォルダ一つを開くのに数十秒を要するようになる。
とてもじゃないが編集作業はできない。また完全にHDDがイかれてしまう前触れとも思ったので、HDDを占めていた2.5テラのファイルをどこかに移そうと思った。
2)HDD-Bは空き容量2テラなので、全ては移せない
そこで、一旦HDD-Bの中身を、HDD-Cに退避させてHDD-Bを空にしてそこにHDD-Aの中身を移すことにした
HDD-Bから HDD-Cへの移動は上手くいったように見えた
主に完成作品のデータを移した
今思うとこの時にすでに取り返しのつかないことになっていたのかもしれない。
3)さてHDD-Aの中身をHDD- Bに移すのだが、ここで第一の問題が。
HDD-Aに最近保存した、現在撮影中の作品の撮影素材の一部が、コピーできないのだ。
コピー&ペーストを行うと「エラーコード-36」なるものを表示してペースト作業が中断される。
ディスクユーティリティでドライブの修復を試みるも効果なし。
ググってエラーコード-36への対処法とされているものを試みるも効果なし(不可視ファイルが悪さをしていることが多いとの情報だが、不可視ファイルを表示する設定にしても悪そうなファイルはなにも現れず、また念のため不可視ファイル消去コマンドdot_cleanなるものも走らせるがやはり効果なし)
幸いエラーコード36を出してコピーできないファイルは全体の1割もなく、また念のために別の人にもバックアップをとってもらっていたので、この作品についての危機感はあまりなかった。
しかし問題なのはHDD-Aの中の膨大な過去作品などの編集データなどだ。
HDD-Aはいつおシャカになってもおかしくない状況と思い、生きているうちに出来るだけ救出しようと思った。
過去データについては比較的問題なくデータ移動ができた。
4)もともとHDD-Aは2.5テラも使っていたこともあり、空き容量の少なさが不安だった。
すべてをHDD-Bに移すとまた同じことが起こるのでは?という不安があった。
そこでHDD-Aのデータのうち500GBくらいはHDD-Cに移すことにした
この時、なんかHDD-Cの反応が遅いなあと思ったがあまり気にしなかった。
コピーができたことを確認したらコピー元のデータは消去していった。
その時おかしな事が起こった。コピー先のフォルダの中のファイルが表示されない。Mac OSのファイル検索機能で探すと見つかることは見つかる。だが数十ギガのファイルが格納されているはずのフォルダの「情報を見る」を開くとサイズは0バイトと表示される。
非常に不安だったが、その日はかなり遅くなったし電源を落として寝ることにした。
各HDDの取り外しの際はもちろん、きちんとした取り外し手順を踏んだ。
5)翌日、妻がMacBookを起動すると異常に気づく。
HDD-Cのスピードが異常に遅い。
最初のHDD-Aの異常と同じような事が起こったのだ。
そして昨日HDD-Cに移動した作品データが消えていた。今度は検索しても見つからなかった。
さらにHDD-C内のデータを救出しようとしたが、元々HDD-Cに保管していた妻の写真データのうちRAWデータのほとんどが、「エラーコード-36」の発生によってコピーも移動も不可能になってしまった。
ドライブを初期化すれば、動作が遅くなる問題は解決するかもしれないが、それでは失われたり移動不可になったファイルなどを全部完全に消してしまうことになるので、躊躇っている。
バファローではデータ復旧サービスがある。HDD-Cはバファロー製だし、それに希望をかけているのだが…
しかし残念なことにHDD-Cは保証期間内の無料対応対象外製品であった。
最も軽度な論理障害であったとしても、データ修復料金は3万円とのこと。
3万円もかけて昔のデータを復元するより、その3万を新しい映画に回したい気もする
【失われた主なデータ】
私の映画「罪と罰と自由」の完成作品データ。
これが一番痛い。2012年に日本芸術センターの映像グランプリ受賞作。
(撮影素材はだいぶ前に破棄している。DVD/ブルーレイとYouTubeへのアップはしているので、作品が見れなくなったということはない)
・他に初期作品いくつか。初期作品はデジタルビデオテープのバックアップがあったようななかったような…
松本いた頃に依頼されて撮った映像いくつか
・上土町のCMの完成品データ(YouTubeにアップしたものあり)
・1人乗りヘリ、および無人ヘリのプロモーションビデオ
・ギネス500人水泳リレー(YouTubeにアップしたものあり、あと撮影素材は無傷なので頑張ればまた作れる)
2014年の「帰ってきたヒーロー」ライブの完成データ、ディスクイメージ、撮影データなど、全て。
2号、X、アマゾン、スーパー1らが出演する楽しいライブだった。DVDは主催者にお渡し済み。
【わからないこと】
例えば電源落とさずにHDD抜いたとか、コピーの途中でケーブル引っこ抜いたとか、フォーマットがFATだったとか、落とした叩いたとか、こちらに多少でも落ち度があってのデータ消失ならまだしも
こうして自分のやったことを振り返ってみても、特に問題ある操作や対処をしていたとは思えない。
突然HDDが壊れ、中のデータを助けようとしてたら、退避先のHDDが壊れたというそれだけ
しかも後から壊れたHDDは買ってから3カ月足らず、空き容量も十分にあった
最初に壊れたHDDは何年か使い続けていたし、なにか負荷がかかっていたのかもしれない。とはいえ3年くらいだし
再発防止のために何をしたらよいのか、自分の操作の何が悪かったのか、さっぱりわからない
【今後の教訓】
HDDのデータ消失というのは起こさないように気をつけるのはもちろんだが、起こることを前提で対策を考えるべきという結論
次回作の撮影では
・撮影用メモリカードは沢山買って、満杯になっても初期化しない
・HDDは3台体制にして、データバックアップ専用、編集作業専用、ファイル出力専用にそれぞれ割り振る
・撮影ラッシュの確認は、HDDにバックアップしたものを見る。コピーに失敗してたらその時わかる。
という風にしよと思う。
本当はさらにHDD用意してミラーリングとかすべきなのかもしれないが、ちょっと予算的に厳しい
以上
自分自身「なぜ」がわからない。状況整理のために、記憶の明確なうちに事の顛末を記す。
【背景】
うちには3台のHDDがあり、一つは買って3年くらい。HDD-Aとする。あと二つは買って3ヶ月くらい。HDD-BとHDD-Cとする。
容量はいずれも3テラ
HDD-AはI-O DATA製。あとはバファロー製。
HDD-Aは、映画撮影の素材ファイルとAdobe Premiereの編集場所に使っていた。過去作品のデータなどもあり2.5テラくらい使っていた
HDD-Bは完成作品や編集中の一時出力場所に使っていた。こちらは1テラくらい使っていた(空き容量2テラ)
HDD-Cは妻が写真データの保存や写真の編集用に使っていた。500GBくらい(空き容量2.5テラ)
1)発端は編集中の映画のために使っていたHDD1が異様に遅くなったことだった。
ドライブとしての認識に異常に時間がかかり、認識後もフォルダ一つを開くのに数十秒を要するようになる。
とてもじゃないが編集作業はできない。また完全にHDDがイかれてしまう前触れとも思ったので、HDDを占めていた2.5テラのファイルをどこかに移そうと思った。
2)HDD-Bは空き容量2テラなので、全ては移せない
そこで、一旦HDD-Bの中身を、HDD-Cに退避させてHDD-Bを空にしてそこにHDD-Aの中身を移すことにした
HDD-Bから HDD-Cへの移動は上手くいったように見えた
主に完成作品のデータを移した
今思うとこの時にすでに取り返しのつかないことになっていたのかもしれない。
3)さてHDD-Aの中身をHDD- Bに移すのだが、ここで第一の問題が。
HDD-Aに最近保存した、現在撮影中の作品の撮影素材の一部が、コピーできないのだ。
コピー&ペーストを行うと「エラーコード-36」なるものを表示してペースト作業が中断される。
ディスクユーティリティでドライブの修復を試みるも効果なし。
ググってエラーコード-36への対処法とされているものを試みるも効果なし(不可視ファイルが悪さをしていることが多いとの情報だが、不可視ファイルを表示する設定にしても悪そうなファイルはなにも現れず、また念のため不可視ファイル消去コマンドdot_cleanなるものも走らせるがやはり効果なし)
幸いエラーコード36を出してコピーできないファイルは全体の1割もなく、また念のために別の人にもバックアップをとってもらっていたので、この作品についての危機感はあまりなかった。
しかし問題なのはHDD-Aの中の膨大な過去作品などの編集データなどだ。
HDD-Aはいつおシャカになってもおかしくない状況と思い、生きているうちに出来るだけ救出しようと思った。
過去データについては比較的問題なくデータ移動ができた。
4)もともとHDD-Aは2.5テラも使っていたこともあり、空き容量の少なさが不安だった。
すべてをHDD-Bに移すとまた同じことが起こるのでは?という不安があった。
そこでHDD-Aのデータのうち500GBくらいはHDD-Cに移すことにした
この時、なんかHDD-Cの反応が遅いなあと思ったがあまり気にしなかった。
コピーができたことを確認したらコピー元のデータは消去していった。
その時おかしな事が起こった。コピー先のフォルダの中のファイルが表示されない。Mac OSのファイル検索機能で探すと見つかることは見つかる。だが数十ギガのファイルが格納されているはずのフォルダの「情報を見る」を開くとサイズは0バイトと表示される。
非常に不安だったが、その日はかなり遅くなったし電源を落として寝ることにした。
各HDDの取り外しの際はもちろん、きちんとした取り外し手順を踏んだ。
5)翌日、妻がMacBookを起動すると異常に気づく。
HDD-Cのスピードが異常に遅い。
最初のHDD-Aの異常と同じような事が起こったのだ。
そして昨日HDD-Cに移動した作品データが消えていた。今度は検索しても見つからなかった。
さらにHDD-C内のデータを救出しようとしたが、元々HDD-Cに保管していた妻の写真データのうちRAWデータのほとんどが、「エラーコード-36」の発生によってコピーも移動も不可能になってしまった。
ドライブを初期化すれば、動作が遅くなる問題は解決するかもしれないが、それでは失われたり移動不可になったファイルなどを全部完全に消してしまうことになるので、躊躇っている。
バファローではデータ復旧サービスがある。HDD-Cはバファロー製だし、それに希望をかけているのだが…
しかし残念なことにHDD-Cは保証期間内の無料対応対象外製品であった。
最も軽度な論理障害であったとしても、データ修復料金は3万円とのこと。
3万円もかけて昔のデータを復元するより、その3万を新しい映画に回したい気もする
【失われた主なデータ】
私の映画「罪と罰と自由」の完成作品データ。
これが一番痛い。2012年に日本芸術センターの映像グランプリ受賞作。
(撮影素材はだいぶ前に破棄している。DVD/ブルーレイとYouTubeへのアップはしているので、作品が見れなくなったということはない)
・他に初期作品いくつか。初期作品はデジタルビデオテープのバックアップがあったようななかったような…
松本いた頃に依頼されて撮った映像いくつか
・上土町のCMの完成品データ(YouTubeにアップしたものあり)
・1人乗りヘリ、および無人ヘリのプロモーションビデオ
・ギネス500人水泳リレー(YouTubeにアップしたものあり、あと撮影素材は無傷なので頑張ればまた作れる)
2014年の「帰ってきたヒーロー」ライブの完成データ、ディスクイメージ、撮影データなど、全て。
2号、X、アマゾン、スーパー1らが出演する楽しいライブだった。DVDは主催者にお渡し済み。
【わからないこと】
例えば電源落とさずにHDD抜いたとか、コピーの途中でケーブル引っこ抜いたとか、フォーマットがFATだったとか、落とした叩いたとか、こちらに多少でも落ち度があってのデータ消失ならまだしも
こうして自分のやったことを振り返ってみても、特に問題ある操作や対処をしていたとは思えない。
突然HDDが壊れ、中のデータを助けようとしてたら、退避先のHDDが壊れたというそれだけ
しかも後から壊れたHDDは買ってから3カ月足らず、空き容量も十分にあった
最初に壊れたHDDは何年か使い続けていたし、なにか負荷がかかっていたのかもしれない。とはいえ3年くらいだし
再発防止のために何をしたらよいのか、自分の操作の何が悪かったのか、さっぱりわからない
【今後の教訓】
HDDのデータ消失というのは起こさないように気をつけるのはもちろんだが、起こることを前提で対策を考えるべきという結論
次回作の撮影では
・撮影用メモリカードは沢山買って、満杯になっても初期化しない
・HDDは3台体制にして、データバックアップ専用、編集作業専用、ファイル出力専用にそれぞれ割り振る
・撮影ラッシュの確認は、HDDにバックアップしたものを見る。コピーに失敗してたらその時わかる。
という風にしよと思う。
本当はさらにHDD用意してミラーリングとかすべきなのかもしれないが、ちょっと予算的に厳しい
以上