ブロガー&SNS映画レビュアーの10年代映画ベストテン
個人部門・日本映画篇
ルール1 監督・女優・男優から3人ずつ選出(3人未満でも良い)
ルール2 持ち点6点を配分。ただし1人に最高3点まで(したがって配分パターンは3つ [A] 3点2点1点、 [B] 2点2点2点、 [C] 3点3点) (6点は使い切らなくても良い)
ルール3 合計得点で順番を決め、同点なら投票者の多い人を上位に
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日本映画10年代 監督ベスト3
第1位 是枝裕和 [総合16点/投票7名]
「是枝裕和(5本 私のベストテンに入った本数)」(aq99)
「この10年コンスタントにハイクオリティな作品を作り続けた」(ノラネコ)
10年前の00年代ベストテンでも、作品ベストワンと、ベスト監督賞を受賞した是枝裕和監督が、10年たった今も改めて強さを見せた。
20年間も日本映画界のエースでいてくれました。しかもパルムドールとアカデミー賞外国語映画賞ノミネートのおまけ付き。
テンに入っているのは『万引き家族』だけながら、投票されたタイトル数は5作品もあり、突出した一本による評価というより、コンスタントに秀作佳作を作り続けてきたことが評価され万遍なく票を集めた。
アカデミー賞はポンジュノさんに先越されちゃったけど、次の10年できっと…という期待を込めまして、また10年間よろしくお願いします。
第2位 片淵須直 [総合16点/投票6名]
「文句なし」(ノラネコ)
「文句なし」(Kei)
この世界の片淵に。
予算的に厳しい中で、戦時下の生活を徹底的にリサーチして、魂を削るようにして作った『この世界の片隅に』。口コミでヒットが広がり、皆に愛される映画となった。その完全版とも言える(さらにいくつもの)がまた、圧倒的に支持された。実は『万引き家族』は1位推しの人が1人もいなかった中で、『この世界』は(さらに〜)と合わせて1位に推す人が8人もいた。当然監督としての評価も高く、残念なのは「マイマイ新子」に票が入らなかったことくらい
第3位 塚本信也 [総合7点/投票3名]
「インディーズ魂と、反戦精神リスペクト」(しん)
ベスト監督票は是枝監督と片渕監督に集中し、他の監督への票は分散していった。そんな中で『桐島部活』で橋本愛ちゃんに「マニアックなやつ」と評されたように、やっぱりマニアック傾向な人たちから『野火』と『斬、』で熱く支持された塚本晋也監督が濱口竜介監督や湯浅政明監督から一歩飛び抜けて3位に入り込んだ。
憲法改正も叫ばれるキナ臭くなってきた10年代から、監督ベスト3にこの3名が選ばれることは意義深い。
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日本映画10年代 女優ベスト3
第1位 安藤サクラ [総合15点/投票7名]
「サクラさんは10年代女優として異論はないと思います」(しん)
「『100円の恋』安藤の演技に感動」 (にかいどう)
「圧巻の『万引き家族』」(しめじ)
こういうと失礼ですが決して美人女優ではないのですが、その演技力と存在感で10年代多くの監督に愛され、映画ファンにも愛されたサクラさん。ケイト・ブランシェットをも驚愕させた『万引き家族』の圧巻の芝居をはじめ、『サイタマノラッパー2』『かぞくのくに』『100円の恋』と比較的低予算の映画でもパワフルに女を見せてくれました。その年のベストになる日本映画にはいつもサクラさんがいた印象。
第2位 樹木希林 [総合11点/投票4名]
「何やらせても上手いし、喋らない場面でも存在感がある 」(きしこ)
次の10年は、日本映画で希林さんのおばあちゃんに会えないのです。太々しく逞しい希林さんに日本映画はどれだけ救われてきたのか。感謝をこめて。
第3位 黒木華 [総合10点/投票5名]
「2010年代を振り返ると何度も印象深い作品に出演」(PGM21)
「大健闘」(Kei)
「『小さいおうち』の黒木華もこの作品で初めて名前を知ったんですが、松たか子を上回る好演技でランクイン」(nyanco)
10年前の00年代ベストでの女優ベストワンは蒼井優さんだった。なんとなく10年代において00年代の蒼井優さん的立ち位置にいるのが黒木華さんのような気がする。岩井俊二や山田洋次といった蒼井さん好きのの監督たちに好かれたからそう思うのか。
日本映画ではこういうタイプの女優は強い。サクラさんのように自らの意志で道を切り開くタイプではなく、状況に巻き込まれ右往左往しながらも適応しやがて周りを変えていくような。
『舟を編む』『シャニダールの花』『小さいおうち』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『日日是好日』どれも素晴らしかったです!
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日本映画10年代 男優ベスト3
第1位 リリー・フランキー [総合13点/投票5名]
「是枝裕和監督では欠かせないキーマンとして演じてきた事などからも2010年代屈指の俳優だったと感じます。」(PGM21)
「是枝裕和&大根仁監督作品に出ずっぱりなんで、当然かと」(aq99)
「八面六臂の大活躍でとびぬけていた」(しん)
「演じているように見えない、その自然体な演技が強く印象に残って」(nyanco)
監督賞と女優ベスト1と2、そしてリリーさんとなったら「ただの万引き家族じゃねーか!!」と思われるかもしれませんが、むしろ『万引き家族』が10年代日本映画のベストメンバーで作られていた奇跡の作品だったと思ってほしいです。
いまだにリリーさんをWikipediaで調べると(2020年3月調べ)
「イラストレーター、ライター、エッセイスト、小説家、絵本作家、アートディレクター、デザイナー、ミュージシャン、作詞家、作曲家、放送作家、演出家、ラジオナビゲーター、フォトグラファー、俳優など」
・・・と俳優は職業として15番目の扱いなわけです。
にもかかわらず、今回の企画では日本映画男優部門がバカみたいに評割れしてかぶる人が全然いない(投票者1名という人が29人、投票者2人以上は3人しかいない)という状況のなか、ただ一人リリーさんが圧倒的な支持を受けてブッチギリの一位となりました。
でも10年代を思い返せば、いい人も悪い人も、優しい人も怖い人も、まじめな人もふざけた人も、面白い人もめんどくさい人も、日本の中年以上の人間なら全部やってくれた感があり、仮に『万引き』がなくても一位だったのではないかと思います。
10年後には、Wikiの紹介で「俳優」の順番が少しは上がっているのでしょうか?それとももっといろんな事やって順番はさらに下がるのでしょうか
第2位 塚本晋也 [総合5点/投票2名]
「職業俳優よりプロっぽい?」(しめじ)
「塚本さんのセルフプロデュース最高」(しん)
「マニアックなやつ」(by橋本愛at桐島部活 くどい?)2名に支持されて、評割れしたこの部門で2位になりました。
とはいえ塚本さん『シン・ゴジラ』にも出てるし、NHK朝ドラにも大河にも出てるし、しかもスコセッシ映画にも出てますからね。デニーロ、ジョーペシ、ディカプリオ、そしてツカモトですよ!
『沈黙-サイレンス-』の海の磔シーンに関して、映画秘宝のインタビューで、久しぶりに死を覚悟した撮影でしたが、スコセッシ映画で死ねるなら本望と腹くくりました・・・みたいなこと書かれてましたけど、メイキング観たら波CGじゃないすか!?
でもいいんです!! 映画監督と俳優は話を盛っていいんです!!まして塚本さんならいいんです!!
第3位 井浦新 [総合4点/投票2名]
そういえば。ARATA時代は是枝組の俳優だった井浦さん。10年代は若松孝二監督作品常連となり、なんだかスコセッシとディカプリオの関係を彷彿とさせました。
その若松監督が亡くなれば今度は、『止められるか俺たちを』で若松監督役を演じました。
俳優と監督の関係としてこれ以上のものはないのかもしれませんね!!
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個人部門・日本映画篇
ルール1 監督・女優・男優から3人ずつ選出(3人未満でも良い)
ルール2 持ち点6点を配分。ただし1人に最高3点まで(したがって配分パターンは3つ [A] 3点2点1点、 [B] 2点2点2点、 [C] 3点3点) (6点は使い切らなくても良い)
ルール3 合計得点で順番を決め、同点なら投票者の多い人を上位に
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日本映画10年代 監督ベスト3
第1位 是枝裕和 [総合16点/投票7名]
「是枝裕和(5本 私のベストテンに入った本数)」(aq99)
「この10年コンスタントにハイクオリティな作品を作り続けた」(ノラネコ)
10年前の00年代ベストテンでも、作品ベストワンと、ベスト監督賞を受賞した是枝裕和監督が、10年たった今も改めて強さを見せた。
20年間も日本映画界のエースでいてくれました。しかもパルムドールとアカデミー賞外国語映画賞ノミネートのおまけ付き。
テンに入っているのは『万引き家族』だけながら、投票されたタイトル数は5作品もあり、突出した一本による評価というより、コンスタントに秀作佳作を作り続けてきたことが評価され万遍なく票を集めた。
アカデミー賞はポンジュノさんに先越されちゃったけど、次の10年できっと…という期待を込めまして、また10年間よろしくお願いします。
第2位 片淵須直 [総合16点/投票6名]
「文句なし」(ノラネコ)
「文句なし」(Kei)
この世界の片淵に。
予算的に厳しい中で、戦時下の生活を徹底的にリサーチして、魂を削るようにして作った『この世界の片隅に』。口コミでヒットが広がり、皆に愛される映画となった。その完全版とも言える(さらにいくつもの)がまた、圧倒的に支持された。実は『万引き家族』は1位推しの人が1人もいなかった中で、『この世界』は(さらに〜)と合わせて1位に推す人が8人もいた。当然監督としての評価も高く、残念なのは「マイマイ新子」に票が入らなかったことくらい
第3位 塚本信也 [総合7点/投票3名]
「インディーズ魂と、反戦精神リスペクト」(しん)
ベスト監督票は是枝監督と片渕監督に集中し、他の監督への票は分散していった。そんな中で『桐島部活』で橋本愛ちゃんに「マニアックなやつ」と評されたように、やっぱりマニアック傾向な人たちから『野火』と『斬、』で熱く支持された塚本晋也監督が濱口竜介監督や湯浅政明監督から一歩飛び抜けて3位に入り込んだ。
憲法改正も叫ばれるキナ臭くなってきた10年代から、監督ベスト3にこの3名が選ばれることは意義深い。
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日本映画10年代 女優ベスト3
第1位 安藤サクラ [総合15点/投票7名]
「サクラさんは10年代女優として異論はないと思います」(しん)
「『100円の恋』安藤の演技に感動」 (にかいどう)
「圧巻の『万引き家族』」(しめじ)
こういうと失礼ですが決して美人女優ではないのですが、その演技力と存在感で10年代多くの監督に愛され、映画ファンにも愛されたサクラさん。ケイト・ブランシェットをも驚愕させた『万引き家族』の圧巻の芝居をはじめ、『サイタマノラッパー2』『かぞくのくに』『100円の恋』と比較的低予算の映画でもパワフルに女を見せてくれました。その年のベストになる日本映画にはいつもサクラさんがいた印象。
第2位 樹木希林 [総合11点/投票4名]
「何やらせても上手いし、喋らない場面でも存在感がある 」(きしこ)
次の10年は、日本映画で希林さんのおばあちゃんに会えないのです。太々しく逞しい希林さんに日本映画はどれだけ救われてきたのか。感謝をこめて。
第3位 黒木華 [総合10点/投票5名]
「2010年代を振り返ると何度も印象深い作品に出演」(PGM21)
「大健闘」(Kei)
「『小さいおうち』の黒木華もこの作品で初めて名前を知ったんですが、松たか子を上回る好演技でランクイン」(nyanco)
10年前の00年代ベストでの女優ベストワンは蒼井優さんだった。なんとなく10年代において00年代の蒼井優さん的立ち位置にいるのが黒木華さんのような気がする。岩井俊二や山田洋次といった蒼井さん好きのの監督たちに好かれたからそう思うのか。
日本映画ではこういうタイプの女優は強い。サクラさんのように自らの意志で道を切り開くタイプではなく、状況に巻き込まれ右往左往しながらも適応しやがて周りを変えていくような。
『舟を編む』『シャニダールの花』『小さいおうち』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『日日是好日』どれも素晴らしかったです!
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日本映画10年代 男優ベスト3
第1位 リリー・フランキー [総合13点/投票5名]
「是枝裕和監督では欠かせないキーマンとして演じてきた事などからも2010年代屈指の俳優だったと感じます。」(PGM21)
「是枝裕和&大根仁監督作品に出ずっぱりなんで、当然かと」(aq99)
「八面六臂の大活躍でとびぬけていた」(しん)
「演じているように見えない、その自然体な演技が強く印象に残って」(nyanco)
監督賞と女優ベスト1と2、そしてリリーさんとなったら「ただの万引き家族じゃねーか!!」と思われるかもしれませんが、むしろ『万引き家族』が10年代日本映画のベストメンバーで作られていた奇跡の作品だったと思ってほしいです。
いまだにリリーさんをWikipediaで調べると(2020年3月調べ)
「イラストレーター、ライター、エッセイスト、小説家、絵本作家、アートディレクター、デザイナー、ミュージシャン、作詞家、作曲家、放送作家、演出家、ラジオナビゲーター、フォトグラファー、俳優など」
・・・と俳優は職業として15番目の扱いなわけです。
にもかかわらず、今回の企画では日本映画男優部門がバカみたいに評割れしてかぶる人が全然いない(投票者1名という人が29人、投票者2人以上は3人しかいない)という状況のなか、ただ一人リリーさんが圧倒的な支持を受けてブッチギリの一位となりました。
でも10年代を思い返せば、いい人も悪い人も、優しい人も怖い人も、まじめな人もふざけた人も、面白い人もめんどくさい人も、日本の中年以上の人間なら全部やってくれた感があり、仮に『万引き』がなくても一位だったのではないかと思います。
10年後には、Wikiの紹介で「俳優」の順番が少しは上がっているのでしょうか?それとももっといろんな事やって順番はさらに下がるのでしょうか
第2位 塚本晋也 [総合5点/投票2名]
「職業俳優よりプロっぽい?」(しめじ)
「塚本さんのセルフプロデュース最高」(しん)
「マニアックなやつ」(by橋本愛at桐島部活 くどい?)2名に支持されて、評割れしたこの部門で2位になりました。
とはいえ塚本さん『シン・ゴジラ』にも出てるし、NHK朝ドラにも大河にも出てるし、しかもスコセッシ映画にも出てますからね。デニーロ、ジョーペシ、ディカプリオ、そしてツカモトですよ!
『沈黙-サイレンス-』の海の磔シーンに関して、映画秘宝のインタビューで、久しぶりに死を覚悟した撮影でしたが、スコセッシ映画で死ねるなら本望と腹くくりました・・・みたいなこと書かれてましたけど、メイキング観たら波CGじゃないすか!?
でもいいんです!! 映画監督と俳優は話を盛っていいんです!!まして塚本さんならいいんです!!
第3位 井浦新 [総合4点/投票2名]
そういえば。ARATA時代は是枝組の俳優だった井浦さん。10年代は若松孝二監督作品常連となり、なんだかスコセッシとディカプリオの関係を彷彿とさせました。
その若松監督が亡くなれば今度は、『止められるか俺たちを』で若松監督役を演じました。
俳優と監督の関係としてこれ以上のものはないのかもしれませんね!!
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