とりあえず印象的だった台詞・・・
体に大きな穴が開いている。そこには密度の薄い空気が漂っていて、何かを詰め込もうとしても、どうしても埋まらない
一つ大きな嘘をついたら、約30の小さな嘘をつかなきゃ成立しなくなる。だから核心以外は全部本当のことを言う
詐欺師グループの内部崩壊をわりとオールスターなキャストで描いた本作は、私の住む長野県中信地方では東京から2ヶ月ほど遅れての公開となった。
結果として、「オーシャンズ12」とぶつかってしまった。
「オーシャンズ12」はまだ観てないけど、日米オールスター詐欺師映画対決の日本代表は地味!!!
とても人のいいメンバーで構成される詐欺師グループだが、女をめぐる恋愛の諍いにより崩壊・・・
億ちかい金を騙し取る連中の対立と崩壊ならもっと血みどろの様相を呈しても良さそうだが、まるで大学生のサークルのような痴話喧嘩で、緊張感はかけらもない。
7千万円の紛失なんていったら殺意だって芽生えそうなものだし、そんな連中ならもっと狡猾だったり残忍だったり非情だったりしそうなものだが、そんな詐欺師たちの「リアル」には目もくれず、観客と等身大の憎めない人間達の予定調和ドラマとする辺りに、僕は「ターミナル」との作風の類似性を感じる。
批判めいた物言いだが、言いたい事は逆で、そういう映画は好きなのだ。(そりゃあ地味だけどさ)
しかし、こういう金もかけず手間もかけず舞台を限定してシナリオの面白さだけで引っ張るというのは、自主映画的立場からは理想系と言える。(反面、こういうのだけ作って喜んでいては大成しない気もするが・・・)
空間限定の娯楽作を、金にたよらずアイデア勝負というところはスピルバーグのやり方と逆であり、そういう観点からもプチ・ターミナルとして比較して観たくなる。
大谷健太郎の戦い方はまるで、物量と最新兵器で攻めてくるアメリカ(スピルバーグやソダーバーグ)に、落とし穴や飛び出し竹やりで戦いを挑むベトコン戦法だ。
とは言ってもこの映画の場合、観た日は何故か疲労の極みで、ラストの方で寝てしまったので、いいとか悪いとか言えない。
だから作品の総評ではなく、演技とか台詞とか細部でごちゃごちゃ語ってみたい
椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一とオールスターというにはちょっと地味だが俺好きな俳優たちの演技合戦は見所だった。特に妻夫木聡と田辺誠一の二人は輝いていた。
田辺誠一のダメ男ぶりの素晴らしさときたら!!なんて器用な俳優なんだろう!!かっこいい男もコミカルな男もミステリアスな男もなんでもござれ
妻夫木聡はナチュラルだがそれでいて明らかにきちんとした芝居をしている。稀有な才能の持ち主だ。
詐欺師のリアルからかけ離れた空想物語とは言ったけど、詐欺師グループのメンバーみんなが遊び気分から抜けきらず、楽観主義の人生おくってる感じがむしろ良い。
みな金儲けより、チームの友情を大切にしようと思っている。チーム崩壊を狙った奴も本心では仲良くいたかったのだ。
田辺誠一の台詞
僕がなんでみんなをよんだか判ります?それはチームでやりたいからなんだ。みんなおかしな人たちですよね。そんなおかしな人がつくる嘘があって・・・あと忘れた
そんな甘いやつらにプロの仕事は無理だ。だからボインちゃん(ミルキーちゃん、パインちゃん)にあいそを付かされる。プロ失格と誰もが思う。けれどチームのみんなは内心、ああよかった、とほっとしているのだ。永遠の友情なんて存在しないかもしれないが、とりあえず当面は信じていてもよさそうだ、と感じさせるところがこの映画に喉ごしすっきり感を与えている。
とりあえずレンタルされたらもう一回ちゃんと見よう。
※紹介したすべての台詞はうろ覚えです。
自主映画撮ってます!! スタジオゆんふぁ HP
体に大きな穴が開いている。そこには密度の薄い空気が漂っていて、何かを詰め込もうとしても、どうしても埋まらない
一つ大きな嘘をついたら、約30の小さな嘘をつかなきゃ成立しなくなる。だから核心以外は全部本当のことを言う
詐欺師グループの内部崩壊をわりとオールスターなキャストで描いた本作は、私の住む長野県中信地方では東京から2ヶ月ほど遅れての公開となった。
結果として、「オーシャンズ12」とぶつかってしまった。
「オーシャンズ12」はまだ観てないけど、日米オールスター詐欺師映画対決の日本代表は地味!!!
とても人のいいメンバーで構成される詐欺師グループだが、女をめぐる恋愛の諍いにより崩壊・・・
億ちかい金を騙し取る連中の対立と崩壊ならもっと血みどろの様相を呈しても良さそうだが、まるで大学生のサークルのような痴話喧嘩で、緊張感はかけらもない。
7千万円の紛失なんていったら殺意だって芽生えそうなものだし、そんな連中ならもっと狡猾だったり残忍だったり非情だったりしそうなものだが、そんな詐欺師たちの「リアル」には目もくれず、観客と等身大の憎めない人間達の予定調和ドラマとする辺りに、僕は「ターミナル」との作風の類似性を感じる。
批判めいた物言いだが、言いたい事は逆で、そういう映画は好きなのだ。(そりゃあ地味だけどさ)
しかし、こういう金もかけず手間もかけず舞台を限定してシナリオの面白さだけで引っ張るというのは、自主映画的立場からは理想系と言える。(反面、こういうのだけ作って喜んでいては大成しない気もするが・・・)
空間限定の娯楽作を、金にたよらずアイデア勝負というところはスピルバーグのやり方と逆であり、そういう観点からもプチ・ターミナルとして比較して観たくなる。
大谷健太郎の戦い方はまるで、物量と最新兵器で攻めてくるアメリカ(スピルバーグやソダーバーグ)に、落とし穴や飛び出し竹やりで戦いを挑むベトコン戦法だ。
とは言ってもこの映画の場合、観た日は何故か疲労の極みで、ラストの方で寝てしまったので、いいとか悪いとか言えない。
だから作品の総評ではなく、演技とか台詞とか細部でごちゃごちゃ語ってみたい
椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一とオールスターというにはちょっと地味だが俺好きな俳優たちの演技合戦は見所だった。特に妻夫木聡と田辺誠一の二人は輝いていた。
田辺誠一のダメ男ぶりの素晴らしさときたら!!なんて器用な俳優なんだろう!!かっこいい男もコミカルな男もミステリアスな男もなんでもござれ
妻夫木聡はナチュラルだがそれでいて明らかにきちんとした芝居をしている。稀有な才能の持ち主だ。
詐欺師のリアルからかけ離れた空想物語とは言ったけど、詐欺師グループのメンバーみんなが遊び気分から抜けきらず、楽観主義の人生おくってる感じがむしろ良い。
みな金儲けより、チームの友情を大切にしようと思っている。チーム崩壊を狙った奴も本心では仲良くいたかったのだ。
田辺誠一の台詞
僕がなんでみんなをよんだか判ります?それはチームでやりたいからなんだ。みんなおかしな人たちですよね。そんなおかしな人がつくる嘘があって・・・あと忘れた
そんな甘いやつらにプロの仕事は無理だ。だからボインちゃん(ミルキーちゃん、パインちゃん)にあいそを付かされる。プロ失格と誰もが思う。けれどチームのみんなは内心、ああよかった、とほっとしているのだ。永遠の友情なんて存在しないかもしれないが、とりあえず当面は信じていてもよさそうだ、と感じさせるところがこの映画に喉ごしすっきり感を与えている。
とりあえずレンタルされたらもう一回ちゃんと見よう。
※紹介したすべての台詞はうろ覚えです。
自主映画撮ってます!! スタジオゆんふぁ HP