すずりんの日記

動物好き&読書好き集まれ~!

大悪を大善へ。16

2011年06月10日 | ちょっとしたこと
3・11の震災から3ヶ月。

9日現在の行方不明者は、
未だ8,000名を超えるそうです。

私が以前、災害で友人を亡くした
ときのことを思い出します。

車ごと、鉄砲水に襲われて、
行方不明になった友人たちを
捜索するために、その時も、
自衛隊が出動しました。

その時に聞いた話では、
友人たちがもし、土砂に
埋まってしまっていたら、
発見は、ほぼ不可能。

もし、海に流されていても、
遺体が海底に沈んでいては、
やっぱり発見は難しい。

ただ、数分か数十分か、
遺体が海面に浮かんだ所を
見つけることができるかもしれない。

でもそれも、広い太平洋で、
どこに、いつ浮かんでくるか
わからない状況で、果たして
見つけられるのか。

もしそれを見つけられなかったら、
遺体は再び沈み、もう二度と、
浮かんでくることはない、
ということでした。

当時、周囲は、「もうこんなに
見つからないんだったら、
きっと死んでいるんだろう」と
いう空気だったにも関わらず、
「行方不明」ということで、
「もしかしたら無事に、
どこかで助かっているかも」
という言葉を、誰もが、
口に出さずにはいられませんでした。

そのために、友人の家族の方を、
「遺族」と呼ぶことも、
絶対にできませんでした。

でもそんな時、近所の方が、
友人の家族に、友人のために、と、
お供え物を持って来たんです。

家族は激怒しました。

「まだ死んだと決まったわけじゃない」と。


友人は、自衛隊の捜索が
続いても見つかりません。

私たち多くの友人は、祈りました。
強く、強く、願いました。

「早く、見つけて。早く、見つかって」と。

見つけてもらって、本人も家族も、
ゆっくり泣いて、ゆっくり休んで、
そして一歩を踏み出してほしい。

行方不明のままでは、苦しすぎます。

友人は、自衛隊の方々の必死の捜索の末、
自衛隊の捜索の最終日に、

広い太平洋の中で浮かんできた所を、
無事に、見つけていただきました。

私は、この時、心から安堵し、
心から泣きました。

そして、

あぁ、彼女は、見つけてほしかったんだなぁ。

彼女の気持ちと、自衛隊の方々の
見つけたいという気持ちと、
友人たちの、見つかってほしいという
気持ちが、奇跡を生んだんだなぁ。

と、心から思いました。


行方不明の、約8,000名の方々を
探している家族が、前に進めずにいる人たちが、
同じ数だけ、居るんですよね。

そう思うと、私が見た奇跡が、
また起きますように、と、
祈らずにはいられません。



コメント
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