神社で執り行われる御祈祷には様々な種類があります。
神様の御心を和らげるため、それぞれお供え物は欠かせません。米、御酒、塩、水、海の物山の物・・・基本的には御食事を用意してお供えとしますが、時には特別なお供え物を準備することもあります。その一つが「鎮物」と呼ばれる物です。
鎮物(しずめもの)、鈴鹿明神社で使用のもの |
鎮物は、地鎮祭や井戸のお祓いの際に、埋めることによってその土地、或るいは水の神様へお供えするものです。内容は地域等によっても違いがあるようですが、白米の他に真鍮で作った人形や貨幣、南天の葉や銀杏の実などが入れられるようです。
古いお屋敷を取り壊すと床下から昔の鎮物が出てくるといったこともあるようです。お供えは神事の中でも最も重要視されますが、この鎮物もそうした古い伝統を伝える一つと言えるでしょう。
真鍮製の威儀物 |
南天の葉。「難を転ずる」縁起物として |