社頭では色々なご質問を受けることがありますが、「この神社はどういった系統に属しているのですか?」と聞かれたことがあります。一言では少し答えづらいご質問です。
大雑把に言って神社同士にピラミッド型の組織的つながりというものはありません。しかし歴史の中で他の神社とつながっている、というのはよくあることです。
例えば全国に「八幡宮」「八幡神社」という神社が多くあります。名前からも分かるとおり八幡神を祀る神社で、九州の宇佐神宮が京都男山に石清水八幡宮として勧請されたのをはじめとして全国に広がっていきました。いまでは全国に25000社以上を数えます。同じく「稲荷神社」「稲荷明神」も宇迦之御魂神をお祀りする神社で、京都の伏見稲荷大社をはじめ全国に32000社以上あるとされています。
神奈川県では「二宮神社」という神社が各所にありますね。江戸時代、相模国に実在した二宮尊徳を祀る神社で、当社の兼務社のうち2社もこの二宮神社です。この鈴鹿明神社は他に同じ名前の神社を持たないのですが、京都の八坂神社から御祭神の1柱「素戔嗚尊」をお招きしたというつながりがあります。
社頭で頒布している全国の素戔嗚尊奉祀神社の名簿にも当社の名前があります
一般的に言って、神社は「神社神道(じんじゃしんとう)」という宗教名で呼ばれていて流れは一つ。仏教のように宗派で分かれているわけではありません。また、先に記した同じ神様を祀る神社同士であっても上下関係はありませんので、神社は大きさに関わらずその土地土地で独立していると言えます。
しかし神社の由緒を調べると表からでは見えないつながりが見えてくる事もあります。神社にお参りの際は由緒書をじっくり読んでみると新しい発見があるかもしれません。