去る8月28日に風神祭が行われましたが、これは暦の上での二百十日頃、俗に言う『荒日(あれび)』の風害から稲など作物を護っていただけるようご祈願するものでした。
この二百十日、あるいは二百二十日というのもありこちらは間もなく来るのですが、八十八夜などと同じで日本人の経験から暦に載るようになった言葉で、文献にはこのような話があります。
江戸時代、幕府の暦編纂係であった学者の渋川晴海という人は釣りが好きで、ある日品川の沖へいつも通り船を出そうとしました。
すると近くにいた老年の漁師が遠くの雲を指さして、「今日は立春から数えて二百十日目に当たるが、私の五十年来の経験によればこのような日は午後から海は大荒れになる。釣りに出るのは止しなさい」と言いました。
言葉通りその日は暴風雨に見舞われ、驚いた渋川氏は自分の暦に二百十日と書き入れた、という話です。
これは伝説のようなものですが、実際にこれからは残暑の季節であると同時に台風の季節でもあります。心身を大切にして、うまくこの季節を乗り切りたいものですね。
最近はにわか雨が多くて雲を気にしてしまいます