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ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

 行ってみよう!「西新井大師」

2016-02-08 08:47:19 | 日記


初詣参拝客ランキングで全国18位、東京都内6位。今年も約54万人の参拝客で賑わった「西新井
大師」は地元の人たちから「お大師さん」と慕われている下町の古刹です。常々、参拝したいと
思いながらも、実行できなかった老夫婦ですが、年始の喧騒が一段落する時期を見計らって出か
けることにしました。

夫: 「東武大師線」って始発駅と終点駅しかないから、参拝者のためだけの電車なんだね。
   それだけここへ訪れる人が多いということだ。

妻: 今日も乗客が多かったわね。今、歩いている門前町の下町風情もなかなかのものね。
   名物の草だんごは「中田屋」と「清水屋」が有名だけど、どちらで買おうかしら。

夫: 先日、テレビで歌手の天童よしみさん似の店員さんが紹介されていたよ。いるかな?

妻: 顔を見れば分かるわね、きっと。草だんごの由来は弘法大師さんがヨモギをすり、病人を
   治したという故事からだというから、薬草だんごだったのね。
   でも、食べるのは後、まずは参拝!

夫: 江戸後期築と言われる山門が目の前だ。

西新井大師は天長3年(826年)、弘法大師(空海)の創建と伝えられています。悪疫流行に悩む
村人を救おうと弘法大師が祈祷を行なったところ、枯れ井戸から清らかな水が湧き、病が治まっ
たとの伝説がある。その井戸がお堂の西側にあったところから「西新井」との地名が生まれたそ
うです。現在は関東の三大厄除け大師(他に川崎大師・観福寺大師堂)の一つとされ、子どもの
初参り・七五三参りの場として親しまれています。
境内には名前の由来となった井戸跡や、塩を擦り付ける塩地蔵などがあります。また、ここは西
の長谷寺、東の西新井大師と言われる「牡丹の名所」でもあります。もう一つ、毎月21日はお大
師様の縁日があります。これも歴史を有する縁日です。
本堂での参拝を終えた二人が階段を下りてきました。

夫: 今日は日曜日だったね。初詣の喧騒はもうないと思って来たけれど、護摩祈願や御朱印長の
   受付はごった返しているよ。それに達磨などの土産品や飲食の露天も、お正月の3ヶ日と同
   じようにたくさん出ているね。落ち着いた雰囲気で参拝できるようになるのは、まだまだ先
   になりそうだ。

妻: お参りを終えたから、境内をゆっくり歩きましょう。見所がいっぱいありそうね。

二人は本堂の周りを時計回りで進むことにしました。最初に目に留まったのは・・・

夫: ここにある「四国八十八箇所霊場 同行二人お砂踏み巡礼所」は新しいもののようだね。

妻: 一周すると四国巡りと同じご利益があるというわけね。私たちも同行二人でこの周りを巡
   礼しましょう。

夫: 次は庭園巡りだ。冬は花がないのが残念だね。大きな弘法大師立像があるよ。手を合わせ
   たら庭園の奥の方に見える滝のところへ行って見よう。

妻: あら、十三重の塔があるわよ。関東ではあまり見かけなかったけど、珍しいわね。

夫: 滝、橋それに弁天堂があって素敵な撮影ポイントになっているようだね。

妻: 本堂の裏手に来たわね。ここには権現堂、如意輪堂(女人堂)、奥の院と社が並んでいるわ。
   一つ一つのお社を丁寧にお参りしましょう。お賽銭用の5円玉は十分用意してきたのよ。

夫: あそこはお稲荷さんだな。赤い鳥居が並んでる。出世稲荷だ。私にはもう関係ないな。

妻: ここから本堂前に戻る道は露店が左右にあるから道幅が狭くなって通り抜けるのが大変そ
   うね。でも、何か美味しそうなものがあったら食べましょうよ。

本堂を一周し露天のお店巡りを楽しんだ二人は、西新井の名称由来となった井戸や塩地蔵のある
方面に向かいましたが、その途中でピンクの花を満開に咲かせた樹木が目に入りました。

妻: 桜だと思うけど、こんな時期に満開になる桜って何だろう?アッ、寒桜って書いてあるわ。
   キレイね~。隣に白い梅の花も結構咲いている。まだ1月よ。今年は咲くのが早いわ。
   さて、私は寒桜を本堂や三匝堂を背景に撮影するから、先に行って井戸跡を探してて。

夫: やれやれ。なんだ、すぐ傍にあったよ。これが由来の井戸だな。「加持水」、「弘化4年」と
   書かれているから江戸時代のものだな。それにしても井戸がコンクリートで固められていて
   風情がないのが残念だな。

妻: 追いついたわ。これが井戸跡ね。「加持水」ってお大師さんの霊水と考えればいいのよね。
   ねえ、あそこに人が並んでいるわ。塩地蔵さんかな~?行きましょう。

夫: 間違いないね。それにしてもかなりの人が並んでいるよ。私たちも並ぼう。

妻: やっと順番が来たわ。御堂の中のお地蔵さんは塩に埋まっている感じね。みなさん、足元
   の塩をすくって、お地蔵さんの体にこすり付けているわ。自分の体の中で気になっている
   部分なんでしょうね。このお塩を持ち帰って患部に直接擦り付け、治ったら塩をここに2倍
   返しするって聞いた事があるのよ。
   それにしても並んでいるのは圧倒的に女性たちが多いわ。なぜかしら?

夫: 元々は、この塩をいただいてイボにつけるとイボが取れるということで、イボ取り地蔵とい
   われていたんだよ。ヒトの体重の60~70%は薄い塩水だ。大人では約200gの塩が体内にあっ
   て、筋肉を動かしたり、食べ物の消化などの働きを助けている。又、塩には殺菌効果もある
   から、こうした塩パワーを不思議に思う先人たちの気持ちが、現在に至るまで、この塩地蔵
   として皆さんの人気を集めているんだろうね。

妻: なんとなくわかったような、わからないような・・・

西新井大師の境内は特別に広くはありませんが、見所はまだまだあります。門前町の下町風情は魅
力的ですし、草だんご以外にも焼肉の美味しい店や、ショッピングも楽しめます。
草だんごは天道よしみ似のおばちゃんがいるお店でお土産として買って帰りました。もちろん、美
味しかったですよ。牡丹の季節には、再訪したいと思います。