「奥久慈ナス」は久慈川の清流と里山の緑が美しい奥久慈地域の、常陸大宮市、大子町、
常陸太田市、那珂市、ひたちなか市の広域五市町を産地とし、露地栽培を中心に周年出
荷されています。大自然の恵みにより、フルーティで甘味のある味わいや皮の柔らかさ、
アクの少なさが大きな魅力。煮る、焼く、炒める、すべての調理法に向いています。
昼夜の大きな寒暖差の中で育ったナスは、皮は濃い紫色で柔らかく、身が締まっており、
市場からは「黒いダイヤ」と高く評価されています。また、ブランド力強化のため、出
荷規格の統一が徹底されており、茨城県青果物銘柄産地に指定されています。ですから、
スーパーで良いものと少し良くないものがあるということがありません。奥久慈ナスは
どれも同じ素晴らしさなので、どれを選んでも美味しく味わえるのが自慢です。
8月14日のテレビ朝日系「相葉マナブ」~旬の産地ごはん~で、「奥久慈ナスを使った
極上レシピ」が紹介されました。奥久慈ナスは年間200トンを超える生産実績を誇ってい
ますから取り上げられて当然です。ナスは本当においしいですよね。焼いてもおいしい
し、煮てもおいしいし、焼きナスにして、鰹節をふってお醤油かけたら、も~!最高の
一品です。今回は茨城県の自慢のナス「奥久慈ナス」の紹介です。
<ナスの生産量ランキング>
- 世界の生産量ランキング(2020年):1位中国(5662万t)、2位インド(3659万t)、
この2ヵ国だけでシェァ9割です。そして3位エジプト(134万t)・・・8位日本
(30万t) 日本もそれなりに頑張っています。 - 都道府県別生産量ランキング(2020年):1位高知県(13.2%)、2位熊本県(11.3%)、
3位群馬県(9.2%)そして4位が茨城県(6.1%)です。これは年間の総出荷量順位
です。季節でトップ生産量の県順位は変動します。
<ナスの品種について>
日本で約70種、世界ではおよそ1000種もの品種があるそうです。日本のナスは黒む
らさき色が多いですが、白色もあります。形も丸型や長型などいろいろ。ほかにも世界で
は、白、緑、しま模様のナスもあります。ここでは国内で栽培されているナスの代表品種
7選を紹介します。
- 千両ナスの名で有名な「中長ナス」:長さが12~15cmほどの長卵形ナスで、「千両
ナス」と呼ばれる品種です。ハウス栽培ものも多いため、ほぼ一年中出荷され
ていて、もっとも市場に流通しているナスです。奥久慈ナスはこの千両ナス系の
品種です。 - 各地の特産・名産品として知られる「丸なす」:文字どおり丸い形をしたナスの総称。
北陸や東北、関西で作られている品種で、各地の特産品になっています。露地物
が多いことから旬は夏で、肉質が締まっているため、田楽や煮物などの料理に最
適です。 - 古くからの在来種が多い「長ナス」:長さが20~25cmにもなる細長いナスの総称で、
古くから栽培されてきた固有種。主に東北や西日本で作られています。4月~11月
まで収穫できるので、栽培地域も広い。やわらかめの肉質が焼きなすに向いています。 - 丸ごとのお漬物に最適な「小ナス」:長さが8cm足らずで収穫される小さいナスの総
称で、20g未満です。丸いものや卵形など、かわいい見た目が特徴。漬けものや煮
ものにむきます。辛子づけで有名な、山形県の「民田ナス」などがあります。 - アメリカ生まれの「米ナス」:アメリカの品種を日本で改良したもの。へたが緑色の
大きなナスの総称。果肉は硬めで締まっていて、煮くずれしにくいため加熱調理
に最適。トマト煮などの洋風煮込み、田楽、バター炒めにむきます。 - びっくりするような長さ「大長ナス」:長さが40~45cmもある長ナスの最大品種で、
なかには60cmを超える大物も。熊本、福岡、長崎で栽培されてきた九州の固有種。
皮はやや硬め、果肉はやわらかいので、焼きナス、煮ナスがおいしいです。 - 鮮やかな紫色の皮が特徴「細長ナス」:変わり種のナス。京都の種苗会社による交配品
種。長さは25~30cnくらいで、長ナスのなかでもとくに細いので、ひもナスとも呼
びます。肉質は硬めで、よく締まっているため、炒め物や揚げ物などに向いています。
その他、特産品として知られるナスの品種5選
- 大阪府泉州地域の特産品「水なす」。9. 有名な京の伝統野菜「賀茂なす」。10. 香川
の希少種「三豊なす」。11. 熊本の赤なす「ヒゴムラサキ」。12. 京のブランド産品
「京山科なす」などなど。・・・・皆さんはどのくらいご存知でしたか?
<ナスの豆知識>
- ナスの栄養価と効能:ナスは90%以上が水分で、果肉部分もフワフワとしています
から、栄養がないように思われますが、利尿作用があるカリウムや、強い抗酸化
作用があるナスニンなどが含まれています。さらに2016年に、「コリンエステル」
と呼ばれる栄養成分が、他の野菜のなんと1000倍以上も含まれていることが発見
されました。これは神経伝達物質のひとつで、交感神経の活動を抑制する働きが
あり、血圧上昇を抑えてリラックス効果があると言われています。実際にヒトの
実験でもナスを摂取すると血圧の上昇を抑え、抑うつ気分や怒りの度合いが下が
ることが確かめられています。 - 日本の主産地は季節で違う:ナスは夏野菜の代名詞ですが、ハウス栽培などが発達
した今では、季節を問わず一年中スーパーなどで手に入れることができます。大
きく夏秋ナス、冬春ナスの2つに分けられ、季節によって収穫の産地が違います。
<夏秋ナス>ナスの旬である夏~秋にかけて収穫されるものは主に露地栽培もので
<冬春ナス>夏・秋の旬を過ぎて冬になり市場に出回るナスは、ハウス栽培で育て
す。出荷量1位の高知県産のものはこの時期少なめなのです。茨城県・群馬県
栃木県などで多く収穫されます。
られたもの。そのほとんどが、高知県から出荷されています。3月には佐賀県産、
4月には群馬県・栃木県のものが出荷され始めます。 - 美味しいなすを選ぶコツは?ナスの目利きのポイントはヘタにある。棘がツンツン
しているものは新鮮な証拠。ヘタがみずみずしくハリのあるものが、収穫後に
時間が経っていないものである。また、表皮にハリがあり、適度な重みがある
ことも重要。なすは水分主体なので、本来であれば重さがある。調理する場合
は、一気に加熱すると水分が逃げにくく、特有のジューシーさが楽しめる。 - 冷やしすぎに注意!:ナスは低温に弱いので、保存には注意が必要。冬など寒い時
期は常温保存で大丈夫。野菜室に保存する場合は、新聞紙に包み、保存袋に入
れるなど、徹底して寒さから守る必要がある。冷えすぎるとシワシワになったり
水分が抜けたりして、その分、旨味も逃げてしまう。 - ナスは、なぜ英語で「EggPlant(エッグプラント)」なの?:直訳すると「たまご
の植物」ですが、普段目にしている紫色のナスは卵っぽくありませんね。その
答えは、ナスの品種と歴史関係にあります。アメリカではナスの原産国インド
の「白なす」がもっともポピュラーなナスでした。インドの野生種のほとんど
は丸型や卵型の小ナス。まるで卵が実になったように見えたそうです。 - 縁起がいい「一富士二鷹三茄子」の本当の意味:諸説ありますが、将軍徳川家康ゆ
かりの深い駿河国の高いものを順に並べたという説で、これが富士山、愛鷹山、
初物の茄子の価格だといわれています。江戸時代には温室栽培され、冬につく
ることが可能でした。しかし、手間と労力がかかり、初物のナスの値段は高か
ったようです。
<奥久慈ナスの食べ方いろいろ>
ナスは焼いても、揚げても美味しいのですが、やっぱり何といっても油との相性がバツグ
ンですね。レストランに行くと麻婆茄子とか、ナスと豚肉の炒め物などを好んで食べるの
ですが、家だとカレーに入れる、ナスの味噌汁、焼きナス・・・・好きなのに私が思いつ
くレパートリーは少ないです。美味しそうなのを調べて一口メモで紹介します。
1.ナスの揚げびたし:素揚げをし、たれにつけるだけの簡単料理です。
2.マスの浅漬け:浅漬けはどんな料理にも合う、名脇役な副菜です。
3.ナスの肉はさみ: 肉をナスで挟んでボリュームアップなレシピです。
4.鶏肉とナスのトマト煮:煮詰めた濃厚なトマト味の秘密はトマトケチャップ。
5.ナスとじゃこの丼:暑さで食欲がなくなったときにはぴったりです。
6.ナスの佃煮:TVで紹介。多めの酢でサッパリ!夏のごはんのお供です。
7、ナスのかば焼き丼:TVで紹介。甘いタレがご飯とナスに絡んでやみつきに!
8.ナスの焼き浸し:TVで紹介。めんつゆで簡単!温かくても冷やしても美味しい。
9.ナスそぼろ味噌うどん:TVで紹介。万能なすそぼろ味噌を使った簡単うどん。
10.ナス味噌:蒸し焼き3分!ウソみたいに簡単に、作り置きで助かる一品。
<奥久慈ナス農家さんの頑張りどころ>
- ナスには、他の種類の野菜と比べて収穫期間が長いという特徴があります。
ハウス栽培は、「4月下旬〜11月中旬」、路地栽培では「6月下旬〜11月中旬」
がおおよその収穫時期です。その期間、ナスの味はあまり変わらないそうです。
長い期間安定しておいしいナスが収穫できるのでうれしいことですが、収穫時
期が長いと心配なのは、害虫や病気の発生。梅雨の時期を挟むため、特に心配
です。なるべく農薬を使わず、安心・安全な野菜を作りたいという農家の梶山
さん夫婦は今、虫が虫を食べる「天敵を用いた害虫駆除」に挑戦中なのだとか!
その方法が定着すると、農薬の使用をぐんと減らすことができるそうです。
野菜を育てる農家さんもいろんな努力を重ねているのです。 - 農家さんの一日もなかなかのハードワークです。
特に、夏から初秋の露地物の収穫ピークは8月半ばの、お盆の頃。毎朝4時に起
きて収穫を始めます。そして休む間もなく、晩秋から春にかけてのハウス栽培
物が始まります。収穫作業を一通り終えて、時間が余っていたら、剪定作業を
します。「一果切り戻し」と呼ばれる方法で剪定します。側芽で、ナスの実が
なっている枝より先は、葉1枚を残して切り落とします。ナスの実より下は、
主枝に一番近い脇芽を残して、他の脇芽は切り落とします。初心者がやると、
どの枝がどうなのか分からず、確実に手が止まります。 - 奥久慈ナスは、なんと年間200トンを超える生産実績を誇っています。
ですから、専業ナス農家さんは、露地物とハウス物が重なる時期がかなり長い
ので、畑とハウスを行ったり来たりと大忙しです。 - JA常陸なす部会連絡会では、畜産が盛んな土地柄を生かし、土作りには、1 年以上
熟成させた良質な牛糞たい肥などの有機質肥料を使用しています。太陽の光が
たっぷり当たるように、一つひとつの実と対話しながら、周りの葉をV字に剪定
しているのもポイントです。
大好評の奥久慈ナスは、那珂直売所やグリーンハウス大宮など、茨城県のJAや直売所で
購入出来ます。茨城県では比較的購入しやすいですが、通販では購入することが出来ま
せん。奥久慈ナス3本入の平均値段は、150円~200円程です。
是非、奥久慈ナスをご賞味あれ!