ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

冷たい風には負けないぞ

2015-02-09 08:36:38 | 日記




夫:節分の恒例行事を無事に済ませたから、今年も無病息災で過ごせそうだね。

妻:「福は内、鬼は外」と言いながら豆まきをして、今年の恵方だという西南西の方角
   を向いて巻き寿司を食べたけど、昔は「恵方巻き」なんて聞いたこともなかったわね。

夫:バレンタインデーだって、僕たちが子供だった頃には無かったよ。

妻:年中行事として定着すれば、チョコレートは売上倍増だものね。商魂たくましいわ。

夫:本当だね。でも、みんなが楽しい気分になるのであれば、こういう行事は増えても
   いいと思うよ。

妻:フフフ、今年もいくつかの義理チョコを期待してるんでしょ。

夫:バレたか。チョコレートは僕の大好物だから、多ければ多いほど嬉しいね。

妻:ところで、最近は近場の散歩ばかりよ。今日は風が冷たいけど、お天気は良さそう
   だからドライブに出かけてみない?

夫:そうだね。出かけてみるか。

まずはレンコンの産地として有名な稲敷市浮島に向かいます。霞ヶ浦の南岸東端で、
水郷筑波国定公園に指定されている場所です。車を停めた公園は冬枯れの佇まい。
湖岸を歩き始めると、いろんな鳥を目にします。風の冷たさに負けて、家に引きこもって
いては体験できない水鳥撮影のチャンスです。

夫:ホラ、小さな鳥が水の中に潜ったよ。どこに出てくるのかな?

妻:アッ!あそこに出たわよ。カイツブリかしら?

夫:砂浜が広がっているよ。あれは鳥たちの足跡だよね。大きな足跡はサギの仲間
   かな?

妻:他にもカワイイ足跡がいっぱいあるわよ。足跡を見て鳥の名前が判るほどの知識
   を持ち合わせていないのが残念だわ。

夫:本当にそうだ。日本最大の湖は琵琶湖で、霞ヶ浦は二番目だね。でも、日本で一番
   のものがあるんだよ。それがレンコン。霞ヶ浦湖畔で収穫されるレンコンは質・量共
   に日本一だ。そして、もうひとつ。将来、日本一となるはずの企画が進んでいるん
   だ。

妻:何かしら?

夫:2016年度に総距離216kmの日本一長いサイクリングロードができるんだよ。筑波
   山と霞ヶ浦を巡るコースで、筑波山の麓にある既存の「つくばりんりんロード」と
   「霞ヶ浦湖畔周遊のサイクリングロード」を繋げるそうだ。テレビニュースの受け売
   りだけどね。

妻:フ~ン、サイクリングブームだから利用者は多いでしょうし、私たちもいつかは利用
   したいものだわ。この周辺には霞ヶ浦で捕れた小魚やシジミを佃煮にしたり、近
   隣で採れた野菜を漬物にする加工場があるから、今日は何か買って帰りましょうよ。

二人は加工場を見つけてシジミの佃煮を購入し、次の目的地である「霞ヶ浦総合公園」
に向かいました。夕焼けが木々を赤く染める時刻に到着した二人は湖畔を散策しながら、
イルミネーションの輝きが増すのを待ちました。

夫:「水郷桜イルミネーション」と書いてあるよ。最近は青色を中心にしたイルミネーション
   が多いけど、ここはピンクと赤が目立ってるね。最終日は2月28日だってさ。

妻:光に彩られた大きな風車の羽根がゆっくりと回転しているわ。あの風車の上に行ける
   みたいだから、あそこから全体を見ましょうよ。

夫:こじんまりしているけど、個性的なイルミネーションだね。あれは花火かな?土浦の花
   火大会は有名だもんね。それをイメージしているんだな。

妻:「帆曳き船」みたいなのもあるわ。霞ヶ浦といえば帆曳き船。あそこの水の上にはハス
   の花のイルミネーションが浮かんでいるわよ。土浦名物のオンパレードね。

夫:地方色が出ていて、なかなかいいんじゃないかい?

妻:ちょっと気になり始めたんだけど、どうして赤色や黄色のLEDを発明した人はノーベル
   賞を貰えなかったのに、青色LEDの発明者はノーベル賞を貰えたのかしら。

夫:光の3原色の中で青色は最も波長が短くて、人工的に作り出すことがとても難しかっ
   たってこともあるけど。でもね、青色LEDの発見そのものよりも、青色LEDを用いて
   完全な白色を作り出したことが重要なんだよ。フィラメントの発熱による電球よりも
   長命で効率的な光源を手に入れたことが、石炭から石油へのエネルギー革命に
   匹敵すると評価されたのだと思うよ。中村修二氏はLEDの光への転換率は今の
   ところ60%台だから、もっと向上できると述べているね。我々の生活に多大な貢献
   をもたらした発明だってことだ。

妻:話は飛ぶけど、日本で初めてイルミネーションが登場したのは、いつ頃のことなの?

夫:1903年に大阪で開催された博覧会だそうだよ。翌年には銀座の明治屋が12月15
   日からクリスマスまで毎晩、イルミネーションを点灯して人々の話題になったらし
   いね。街路樹を大規模にライトアップするようになったのは1966年に仙台で始まっ
   た「光のページェント」が最初で、表参道のライトアップは1991年からだよ。

妻:今では全国にイルミネーションの名所ができたけど、クリスマスシーズンだけじゃな
   くて3月まで開催しているところもあるようね。今朝、話題になったバレンタインデー
   じゃないけど、現代人は楽しみ方を工夫するのが上手になったってことかな?

夫:冬でも冷たい風なんかに負けないで、こうして出かけて楽しめるっていうのは本当
   に幸せなことだと思うよ。元気なればこそだ。
コメント
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