すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

安定剤の処方

2010-04-12 08:42:04 | うちのキヨちゃん
 夕べはピンクのお念仏だった。ちょうど休みだったので早めに入浴と食事を済ませて上がった。お念仏の後、お茶やお酒も出してくれたがみんな車なのでお茶を飲む。
 キヨちゃんはいつも晩酌をするので、どうせ飲むのだからいただけば?と言った。いつも夕食時に飲むのだが、お念仏の日は帰ってから飲むからだ。しかし昨日はうっかりしたのか、晩酌を済ませていたのでいらないと断っていた。
 帰ってから、結局心もとなくなったのかビールを飲みたいというので、私もワインで付き合った。食事も済ませていたのであられなどをつまみに。ちょうど地元の選挙だったので、選挙の開票速報を見たいと途中まで頑張って起きていたキヨちゃんだが、ついにうとうとしてきた。
 もう布団に入るように勧めようとした時だ。突然キヨちゃんの足がコタツの上の急須をばーん!と蹴ってしまった。びっくりして見ると、キヨちゃんはぐでんぐでんである。まさかビール2本で?しかも1本は早くに飲んでいたし、もともとアルコールには強いはずだった。
 「ちょっとしっかりしてよ!」
 キヨちゃんを起こすと
 「帰ろう」
 「ここどこ?」
などといい始め、話はちんぷんかんぷんであるし、座ることもろくに出来ない。
 水をとにかく飲ませるがあまり改善しない。だんだん腹立たしくなってきて、
 「しゃんとしない!」
と体をゆすったり、叩いたりしたがしゃんとしない。方向も分からない。怒りながら何とか口から入れ歯を取り出して洗い、補聴器を取り出してケースの収め、部屋に行くように言った。どうしても行けなければ運ばなければ・・・と思っていたが、何とか自分で這って行った。
 寝てしまってから、本当にお酒のせいだったのか、前のように一過性の脳貧血とかではなかったのかと自分の行動を反省した。しかし、状況から違うように思われた。
 朝キヨちゃんは普通に起きてきたので、ほっとした。昨夜のことは夢と思っておりほとんどは覚えてなかった。状態を説明するとびっくりしていた。
 「安定剤のんどったからかなあ・・・。」
ふとキヨちゃんはそう言った。確かに最近あまり眠れないことがあると、医師に屯用で安定剤をもらっていた。半錠しか服用しないが、いつもは飲酒は夕飯時で服薬は寝る前だ。昨日は遅くに飲酒したので作用が強くなったのかもしれない。
 キヨちゃんは以前にも主治医から安定剤を貰い、大変なことになったことがある。その薬はかなり強いもので認知症の人が5分で「落ちる」代物だった。だから主治医にはくれぐれも出さないように言っておいたのだ。だいたい、年寄りの「眠れない」は口癖で、実態は寝ている。夜中に目覚めたり、眠りが浅かったりすることはあるだろうが落ちるほどの薬はいらない。
 ただ、今回は咳が続くなどして本当に眠れない日もあったので、他の医師から貰っていることはきいていた。前のきつい薬でもなく眠れないような日に半分だけというので安心していた。今日友人ナースにこの薬も聞いてみなくては。
 何にしても、医者は薬を出すときに気をつけて欲しい。患者の言うことを丸呑みしてはいけない・・・と思う。

・・・・花りんご満開・・・

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コメント (6)
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