すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

認知症高齢者の事故後の損害賠償

2016-02-02 21:25:35 | ひとりごと
 ニュースで91歳認知症の方が、徘徊していて電車にはねられ亡くなったという痛ましい事故で、遺族に損害賠償の裁判になっていると知った。
 例えば、電車に飛び込んだして自殺したニュースなどがある度、キヨちゃんたちといつも、
 「気の毒にね・・・。その上、辛いのにようけ(沢山)賠償もさせられるんだろう。」
と話していた。だから、他人様に迷惑をかけるような死に方はダメだね・・・と。
 遭難などで捜索して貰った時なども、おそらくびっくりするほどのお金が発生するのだろうと想像する。
 だから、認知症のお年寄りが事故にあっても、損害が出た場合は当然請求されるものなのかもしれない。しかし、でも・・・。やはりあまりに可哀想ではないか。
 ニュースでは、家族が適切に対策を行っていたかが争点だと言っていた。しかし、その対策ってなんだろう。亡くなった方のご家族は徘徊センサーを使っていた。奥さん・・・というから、当然こちらも高齢者だろう。その奥さんが少しまどろんでいた隙に、センサーの無い所から出たと言う。
 「出ないように括っておけってことだね。」
くりりんがつぶやいた。
 確かにそう言っているようにしか思えない。施設でいても、出ていかれることには本当に注意が必要だ。センサーや施錠など、それこそ「対策」は色々あるだろうが、「対策」が万全になればなるほど不自由さが目につく。本当はもっと沢山の人間の目で、ゆったりと見守りたいし、出ていきたい時は一緒に徘徊に付き添いたいのだ。それが出来ないから閉じ込めてしまう。
 ましてや、老老介護や1対1の介護で「十分な見守り」なんて、口で言うほど簡単ではない。
 裁判はどうなるのだろう。勿論、被害をこうむったJRも気の毒だ。しかし、91歳の親を必死で介護していたであろうご家族の、ご遺族の事を思うと辛い。
 在宅介護は大変な事だけれど、それでも覚悟を決めて介護なさっているご家族がいる。その方たちが、安心して在宅介護が出来る時代であればいいのに。どうか、優しい判決を期待したい。

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コメント
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