すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんは、やっぱりキヨちゃん。

2018-06-11 14:05:46 | うちのキヨちゃん
 昨日、キヨちゃんとお茶にした後は、とりあえずゆっくりするか~と思っていた。ところが、キヨちゃんをご近所にお願いした時に、
 「もし当日券あったら電話するわ。」
と。
 それも申し訳ないとお断りしたものの、行けるならキヨちゃんを足元の悪い中お世話して貰わなくても住む・・・とも考えた。
 果たして当日券があったと電話があり、私も急きょ駆け付ける事に。

     

 映画は向井理さんの母方のお婆様の手記(いつまた君と何日君再来)を映画化したもので、なかなかいい映画だった。お婆様がおじい様との結婚を決意する所から始まり、戦前、戦中、戦後を、南京、上海、愛媛、茨城、大阪と移り住みながら、信じられないような不運に見舞われながらも、強く明るく生きてきた姿に感動した。
 キヨちゃんも主人公(祖母)が末の娘を、子供を抱えて働けないという理由から、実家の愛媛に預けて立ち去る場面では大泣きしていた。
 ここではネタばれはしないので、興味のある方は是非観て欲しい。向井理さん、尾野真千子さんと力のある俳優陣がすてきな作品に仕上げている。
 さて、お陰で親子ともどもいい映画を見させていただいたのだが、帰りは結構な雨。人様に預けなくて良かった。とりあえずキヨちゃんには玄関で待つように伝えて車を取りに行った。
 駐車場から車を玄関に横付けしたら、婦人会の方がキヨちゃんの手を引いて連れて来てくださった。そのまま後部シートに滑り込む。
 車の中では映画の感想。とにかく「良かった。」と言っていたキヨちゃん。
 「もう、子供を置き去りしする奴があるかなあ!母ちゃん泣けて泣けて。」
 「事情があったけんなあ。ほんでも大人になるまで何で誤解を解いておいてあげなんだろうな。」
など親子で会話していた。するとキヨちゃん、
 「ほんで、あれは中国の話で?」
と聞く。ははん、始まりが中国だったからね。
 「いやいや日本の話。あの頃は中国とかに行く人多かったでえ。」
 「ほうかあ。ほうじゃ、多かったんじゃ。ほんでも、映画日本語だったかえ?」
・・・・・・?????え、そもそもそこですか?ってか、愛媛や大阪程度でそんなきつい方言も無く、どちらかと言えば馴染みのある方言だったけど・・・。
 そして、しばらく走ってから、
 「あ、母ちゃん公民館のスリッパ履いてきた。」

     

 そうなのだ、映画は公民館なので、玄関でスリッパに履き替え、靴は袋に入れて持ち歩く。そのまま靴はお土産のようにぶら下げて、スリッパのまま帰って来たのだ。私も後部シートに収まったので全く見えていなかった。今更引き返しても混雑しているし、後日返す事にしてそのまま帰った。
 するとキヨちゃん曰く、
 「まあ、あんなに大勢おったのに、誰っちゃ母ちゃんのスリッパに気付かん。見よらんもんじゃのお。」
と言った。おいおい、何で人のせいじゃ!
 母ちゃんはやはりキヨちゃんであった。

* 豚の角煮とかぼちゃのサラダ。

     

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ ここをクリックしてお立ち寄りください。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする