すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

頼むぜ、キヨちゃん。

2018-09-26 22:18:07 | うちのキヨちゃん
 ここ最近、足の痛みなどが出ているキヨちゃん。なるべく残業せずに、夕飯を作れるように帰りたいと思っても、なかなかそうもいかない。
 昨日は一昨日は日曜からおでんを作っておいたので、とりあえず心配せずに仕事が出来た。
 昨日はおでんがまだあるとは思ったが、そればかりもなあ・・・と、なるべく早く帰ろうと思ったものの、やはりそうもいかなかった。
 勿論、がっつり残業した訳ではないので、早めと言えば早めだが、キヨちゃんのご飯に間に合う時間では無かった。
 戻ってみると大根葉の炒め煮が作られていた。部屋を訪ねると、
 「今日は母ちゃん死んだかと思った。」
と言う。聞くと、畑の横の道を這うようにして登っていて、どういうわけかそこから転がり落ちたと言うのだ。びっくりして怪我が無いか聞くと、幸いどこも打ってはいないと言う。それにしても本当に怖い話である。どこからどの程度かキヨちゃんの話では分からないのだが、多少大袈裟に話したとしても、ちょっと転んでも大怪我につながるお年頃である。
 そして今日。今日も気になりつつ(今日になってあちこち痛みが出るのではと)、どうしても残業が必要で、きりのいい所までやって帰ってきた。
 痛みが出ていないか聞くと、
 「(転んだせいではなく)痛いのはあっちもこっちもじゃ。」
と言う。そして、
 「今日は血流が悪いのか、見たら両足の先が紫色でびっくりした。一所懸命マッサージしたら戻ってきた。でも、歩けんかった。」
と言う。
 この歩けん・・・は、本当に全く歩けないということではなく、足の運びが悪かったり転びそうになって這う時の事を言う。実際調子の悪い時は突進歩きだったり、すり足だったり、這った方が安全な時がある。それでも、ゴーヤチャンプルーを作ってくれていた。
 さて、くりりんと夕飯を食べていると起きてきたキヨちゃんもしばらく団欒の場にいたが、話したい事を話したらトイレに行ってから部屋に戻った。
 くりりんがキヨちゃんに薬を届けに行って戻ると、
 「お母さんおもらししたみたいって言ってるよ。」
とくりりん。急いで部屋に。
 「もう、はがい(腹が立つ)わあ。母ちゃんトイレ行くと絶対濡らしてしまう。」
と着替えている。そして
 「座り方が悪いんかな?」
と言う。
 確かにそれは一理あるのだ。キヨちゃんは夜は特に安定剤が利いてバランスが悪くなるのか、後ろに反り気味で座るので、おしっこが前に跳んでしまう事がある。すると便座の隙間から尿が漏れることになる。なので最近は専用のパッドを便器の隙間に貼っているのだ。
 それなのに、漏れるとは・・・。
 「やっぱり座ってするのがいかんのだろうか。立ってした方がええんじゃないかな?」
・・・・おいおい。
 「絶対座ってしてよ。立ったら余計汚すし、そもそも夜やあんだけふらふらしよるのに、立ってやしよったら、転んでしまうわ。」
 そう説明し、ひとしき座ってこうやって前かがみで・・・と座り方をレクチャーしていたが、とりあえずトイレも汚したろうからとトイレ掃除に向かった。
 すると、何の事は無い、トイレに向かう廊下から水たまりがあるではないか。
 「母ちゃん、座り方以前じゃ。行く前に漏れとるがな。」
ああ、キヨちゃん、頼むぜ。


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コメント (3)
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