キヨちゃんの心配事

　実は昨日キヨちゃんの姉が乳癌の手術をした。癌が分かったのが先月だったか、家族から電話があり、年齢的にも90歳を過ぎているのだしどうするか・・・という問題だったのだが、治療はともかく、乳癌は置いておくと傷が表に出てくるので、やはり取った方が良いだろうと言う話になったらしい。
　それからキヨちゃんはずっと心配で、事あるごとに泣いてしまう。大丈夫だからとくれた電話にすら、心配で涙が出て聞けない。
　そんな状態だから、昨日はきっと一日何も手に付かないと分かっていたので、残業しないで帰れるように頑張ろうと、早朝から出勤し、ケアマネのデスクワークをしてからデイに行き、デイが終わってから急いでケアマネの業務をこなしていた。
　途中、術後の経過を聞こうと思っていたら、キヨちゃんから電話。
　「今日なあ、電話したけど、まだだった。」
　「うん、15時半からって言いよったけん、後で私が電話する。まっといて。」
分かっていてもいてもたってもいられないのだろう。
　夕方従兄に電話。幸い3時間を予定していた手術は２時間で済み、リンパ節などへの転移も無く、患部は完璧に取りきったとのことだった。まだ伯母は麻酔が効いているので意識の方ははっきりしない。
　その事をキヨちゃんに伝えたら、安心はしたが脱力してしまい、どうでもこれは帰るしかないと、仕事は放りだして家路についた。
　とりあえず簡単におかずを作って、少しは食べる事が出来た。
　そして今日。仕事から戻ると、キヨちゃんの表情は明るかった。従兄が病室から電話して、伯母と携帯で少し話が出来たのだそうだ。
　「もう、『キヨちゃんね？無理せられんとよ。』って言われた途端、涙が出て何も話せなんだ。」
　やっぱり来月は福岡に連れて行こう。でも、ここを乗り切ったキヨちゃんは、
　「姉さんの１００歳のお祝いまで頑張りたい。」
と意欲が出てきた。
　頑張れキヨちゃん！そして・・・・。ってことは、が、頑張れ私（笑）。

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