乙女心Ⅲ

　今日はキヨちゃんの執刀医受診日である。なかなか遠いので、受診はどうしても年に１～２回になる。しかし、この１回でキヨちゃんは何か月も元気が出る、大事な大事な元気の素である。
　昨日ちゃんと美容院へ行ってきたが、朝には少し寝癖がついていて、しばし鏡の前で髪をすく。
　「洋服、これでええかな？これが一番楽なんじゃけど・・・。」
　「ほりゃ、楽なんが一番じゃよ。」
そう、おしゃれよりも楽さが一番。
　今日はくりりんが休みを取ってくれていたので、くりりんの運転で松山へ。丁度と言っては何だが、くりりんもここ最近膝の調子が悪い。湿布を貼ったり色々していたが、ついに二日ほど前から触っても痛く、足を引きずるようになったので、一緒に診てもらう事にした。
　この先生には私もお世話になっている。かつて手根管症候群で靱帯切除の手術をしてもらったのだ。家族そろってお世話になることになったわけである。
　さて、キヨちゃんの方は、１年ぶりに沢山検査をしてもらい、後縦靭帯骨化症についても、脊柱管狭窄症についても進行が見られず、骨密度がわずかに２％下がっただけ。それも、70％で合格ラインと言われるキヨちゃんの年齢で77％あるのだから、上等だろう。これは勿論きちんとお薬を飲んでいることもあるが、食事をしている事、太陽の日を浴びて作業を少しでも続けていることが大きいだろう。
　「僕もね、正直キヨ子さんがこの年まで、こんなにお元気で動けることは想定してなかったですよ。とにかく転ばないで、リハビリを続けて、今の生活を続けましょうね。」
と言ってくださった。
　キヨちゃんは先生の笑顔だけで充分元気になり、
　「先生のお陰で元気で今まで来られました。感謝してます。」
と嬉しそうに言った。必需品で充分お持ちと分かっていたが、３Dマスクを少しキヨちゃんがお土産にした。
　「マスク大事に使わせてもらいますね。コロナに罹らないように頑張ります。」
と言ってくださった。
　そしてくりりん。こちらは膝に水が溜まっていた。20ｃｃくらい引けたようで、多分最近仕事で階段を何往復もしたり、せっかく上り下りするんならと負荷をかけたり、ストイックにスクワットやストレッチをしていたのが裏目に出たようだ。しばらくはスクワット禁止である。
　食事をしたくらいで、特に寄り道もせず家に帰る。リュウはちゃんと留守番できていた。体調も悪くなさそうでほっとした。
　夜は相葉君を観ながら大笑いのキヨちゃん。今日はいいこと満載の日だった。


　＊キヨちゃんのミニバラたち。

　　　　　

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