ムカついてムカついて、久々にキレた私。

　今日はキヨちゃんの退院日。迎えに行って待っている間に、看護師からの説明や、薬剤師からの申し送りがあり、その後で執刀医から傷口の処置の方法などの説明があった。とりあえず、切り取った部分はそのまま触らず次回受診日まで置くが、皮膚を取った方の傷については、清潔な濡れガーゼで軽く拭き、ワセリンを塗って滅菌ガーゼを交換することになった。後、抗生剤が３日観飲みきりで出た。
　対応してくれた医師も、看護師さんたちも薬剤師さんもとても感じが良く、話も分かりやすく丁寧で、キヨちゃんも、
　「みんな優しくて良くしてもらった。」
と喜んでいた。
　なので、私もほっとして家路についたのだが、家に着くなり着替えたいと言うキヨちゃん。勿論、パジャマなど楽な服に換えたいだろうし、下着や紙パンツも替えたいだろうからと蒸しタオルを準備した。
　そして入院時の洗濯物を出していて、荷物が持って行った時のままであることに気づく。いや、下着はいいのだ。汚れでもしない限り、風呂に入るわけでもなくたった二日の事だ。しかし、紙パンツが一度も替えられず袋に入っており、穿いて行ったパンツがぐしょぐしょだった。そりゃあ気持ち悪いさ。
　私はたった一晩の入院なので、分からない事もあろうかと、またキヨちゃんは喋る分にはしっかりしているので、口頭での申し送りと書面でもクリアファイルに入れて渡してお願いした。

「入院一泊ですがよろしくお願いします。
　１，着替えは自分で出来ますが、一部介助が必要な時があります。
　２．夜は紙パンツ多め（白）、朝は少なめ（ピンク）を穿いています。寝る前と起床時に蒸しタオルで陰部清拭しています。（清拭して交換）
　３．薬は取り落とすので、袋から出して服薬ゼリーに乗せるまで確認必要です。起床時の薬（骨粗鬆症）と安定剤は１錠だけなので水で飲めます。＊起床時の内服は200ミリリットルの水が必要なので、500のペットボトルを蓋を緩めた状態で荷物に入れていることも申し送った。
　４，義歯洗浄も自分で出来ますが、夜は介助してポリデントしてます。」

　言葉での申し送りと一緒にこの文章を渡し、薬は薬でそれごとにメモを入れた。なのにである。骨粗鬆症の薬が水分が多く必要な事や、他の薬より食事より３０分以上前に飲まなくてはいけない事は分かるはずである。
　そして一番嫌だったのはやはりパンツの交換だ。キヨちゃんは自分の荷物に入っているとか伝えても忘れる。だから申し送りしたのだし、施設でも病院でも荷物は確認するはずだ。もしいけない物が入っていたらどうするのだ。
　急いでパンツを脱いで、
　「あ～気持ちいええわ。さっぱりした。」
と清拭しているキヨちゃんを見て腹の虫がおさまらなくなった。
　すぐに病院へクレームの電話を入れた。今日担当してくれた看護師が電話で対応してくれたが、おそらく彼女では夕べの事や朝の事は分からないだろう。しかし、申し送りについて、
　「私パンツの交換や清拭を書面でもお願いしてましたよね。もし病院が出来ないと言うのなら初めにそう言ってくれれば対策を考えたんですが。」
と言うと、
　「いえ、朝は必要な方には陰部清拭に回っているんです・・・。」
と言う。彼女に言っても仕方ないと思いつつ、
　「きちんと確認して電話ください。」
と言って電話を切った。
　あかん・・・。まだイライラする！


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