すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

寄り添うという事

2014-07-23 20:46:36 | ひとりごと
 介護の仕事は、職種に限らず「寄り添う事」が仕事である。直接介護に携わる人は勿論、私たちケアマネもその人やご家族の想いに寄り添うこととされている。
 しかし、現実には理想通りに行かず、ややもすると自分なりのいいと思う事を「押しつける」事になる。
 今、仕事をセーブしている中、毎日専門書を読んでいるが、その中にある「実例」に心底驚かされる。
 ある方は、余命1年の高齢者である。元々裕福な方でその方の生活史は華やかだった。しかし、晩年は金銭的に恵まれず預金も財産もない。マンションを手放し終の棲家を探す時、どうしても「高級高齢者住宅」でなくては受け入れない。
 普通に考えたら身の丈に合った施設を勧めるが、ターミナルなのだから「その人らしく」週末を迎えさせてあげたいと奔走する。サービス事業者に不安や焦げ付きを出さないために金銭の流れもクリアにしてプランしていた。
 また、ある人は引きこもりで「ニーズ」が見えない。その「何もない」状態から、隠れたニーズを掘り起こし、意欲を取り戻させて行く。
 確かに沢山の事例は本当の成功例なのだとは思う。そんな奇跡的な成功例が山ほどあるとも思えない。しかし同時に、ケアマネは絶対この人一人にかかっているはずはなく、こういう人だからこそきっと、どの担当様にも同じように手をかけているのだと思う。一体何人の担当様を持っているのだろう。一体どのくらいの時間と労力を使っているのだろう。どこまでどこまで・・・。
 私には無理だ・・・と言ってしまうのは簡単だ。でも、やはり無理だと思ってしまう。その一例の100分の1も寄り添えていないし、スキルもない。
 こういう事は無いだろうか。何か失敗をした時、反省をしていると次から次へと過去の失敗がフラッシュバックしてくる。私は良くある。寄り添っていたつもりで、寄り添えず独りよがりは介護をしたこと、良かれと思ってしたことが裏目に出た事、それからそれから・・・。
 すごい人になりたいわけではないし、とてもなれない。しかし、このままでいいはずはない。

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2 コメント

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Unknown (ふくだ)
2014-07-29 10:38:51
ケアマネさんって、とっても大変なお仕事だと思います。
同じケースってのはめったに、と言うかほぼ無いのですから。
そんな中、すずしろさんが「どこまで・・・」「それから・・・」と考えてくれることを利用者さんは、いっぱいいっぱい感謝してると思います。
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ふくだ様 (すずしろ)
2014-07-29 16:55:56
今回いっぱい迷惑かけて、また復職する事でも周囲に多大な迷惑をかけます。
せめて、入院する前くらいの仕事が出来るようにはなりたいと思ってます。でも、日々反省ばかりです。
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