Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

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野田版歌舞伎       

2008-08-12 | 演劇
いきなり問題です。『野田版歌舞伎』ってご存知ですか?

「知らない」と答えた方は、今秋に行われる「松竹歌舞伎検定」を受検しないでください。なぜなら受験料の5500円をドブへ捨てるようなものですから。元々は歌舞伎検定など受けるつもりはない!大抵の方はそうおっしゃいます(笑)。

それはさておき、最近になって脚光を浴びたのが「野田歌舞伎」です。この単行本<画像>に収められた『野田版・愛陀姫(あいだひめ』は、前作『研辰の討たれ』、『鼠小僧』に次いで3作目。これで野田歌舞伎の3部作が完成したわけで、歌舞伎検定でも出題が確実視されております。

ところで『野田版・愛陀姫』は、有名なオペラ「アイーダ」からヒントを得て野田秀樹が書 き下ろした歴史劇で、歌舞伎にまた新風を吹き込みました。

それは「傍白」です。

傍白とは、傍に人がいるのに主役が内心の声を観客に語ることです。オペラでは傍白だらけ。二重奏、三重奏で、相手の演技を止めてまで傍白を使います。歌舞伎には独白はあっても、傍白は殆どありません。

「独白」と「傍白」とは違います。

野田秀樹は傍白によって、立体感、重層感、そしてスピード感の効果を取り入れて、骨太の現在歌舞伎を作り上げたのです。



「歌舞伎って、着物を着て見に行くものなんでしょう?」
「ばーか!!」

それは昔のはなし。Tシャツとジーンズで充分です。それと、お茶とお弁当はコンビニで買ってから劇場にお入りください。131円の”お~いお茶(350ml)”が、劇場の売店だと200円はします。

とくに野田歌舞伎は、宮沢りえ、松たか子、深津絵里らが出演している従来の野田秀樹の舞台となんら変わりはありません。そうですね。歌舞伎だと、直球ではなく変化球だと思ってください(←意味不明)。

平成の歌舞伎が、平成の観客であるあなたに、どんな幕を用意して、上げて見せてくれるのか?
なんだっていいじゃありませんか!変容しつづける現代歌舞伎に、とりあえず祝杯を!!



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