今月19日に桂米朝さんが天上に旅立たれた。
米朝さんが米寿に先がけて刊行された、はじめての句集
『桂米朝句集』は、わたしの愛読書であった。
号は八十八<やそはち>と詠むそうだ。俳号の歳を一歳超えて、天上人になられた。
「俳句はほんまの素人やから・・・・・・」といつも謙遜されていたという。
故小沢昭一さん、永六輔さんら粋人の集う「東京やなぎ会」の仲間だった。
その仲間うちでしばしば話題になった名句がある。
春の雪誰かに電話したくなり
人恋しさが感じられ、上品な色気がある。
色気といえば、わたしの好きな句に
パンティはふとんの外に朝寝かな
下ネタと言うなかれ。思わず吹き出してしまいそうな句である。俳句には人となりが現われる。
上方特有の洒落ていて、どこか端正な味がある。東京人ならデッタイにこうゆう風には詠みません。
ランドセルこれが苦労のはじめかも
孫可愛さに何十万もするランドセルがよく売れているそうである。
わたしも他人事ではなく、まもなく1年生になる孫がいる。身につまされる一句である。
米朝さんと同じ思いを抱きながら、今日も『米朝句集』をひらいているのであります。
末尾ながら、あらためてご冥福をお祈り申し上げる。