この何ともいえない色あい、ミラノチックな古風なかたち、そこには温か味があった。
一輪挿しであって、一輪挿しでない。
イタリア・アンチークの瓶のようでもあった。
松の内の某日、デパートの食器売り場の一隅で数点の陶器展示品のなかに、これが目に入る。
小さな立札に―陶 処― 風と書かれていた。「その日その時の思いを込めて作ります」とも付
記されている。
過去に衝動買いで失敗したことがあるので、その日は鑑賞するだけにした。
三日後にまた食器売り場に出かけた。その陶器は売れていなかった。
「人が何と言おうと自分が好きなら私はいいんです。ただ見るだけじゃ駄目なの。自分のお金を
出して買って、手元に置いてみないとほんとうのよさが分かんないわよ」
わたしは、かの白洲正子女史の言葉を思い出し、財布のひもをゆるめたのである。
早速、台所の食卓に飾って毎日愉しんでいる。
作品の素敵な色合いが画像で充分に再現できなくて申し訳なく思っています。
本年6月の展示会たのしみにしております。
これからも食器をメインに作っていきますが、花器や飾り物も作っていきたと思っています。
加古川ヤマトヤシキ出展は次回6月4日~10日に決まりました。新しい作品を作っていきたいと思いますので、是非
見に来てください。