たちあおい日記

chiaki in wonderland

お化け屋敷のような

2012年10月14日 | 日記・エッセイ・コラム

     昨日、登った俵山 
     天気も最高、景色も最高だった。
     登山口は「萌の里」下山口も「萌の里」
     上りは、途中のショートカットコースを使って快適に登った。
     下山には「茅尾根コース」を使った。
     ところがこのコース誰も歩いていない。
     道はしっかりしているんだが・・・。
     景色も抜群に良かった。でも・・・。
     山道が終わり林道に出てホッとしながら歩いていると
     突然、赤牛が数頭林道脇で草を食んでいた。
     私と娘の足は急ブレーキをかけたように止まり、
     「あ”-----」「牛がなんで?」
     「どうする!」「どうしよう」と言って、暫し牛を見つめる。
     向こうもびっくりしたのか、こちらをじっと見ている。
     私が「牛が襲った話は聞かないし、歯もないし噛まれることはないし
     大丈夫じゃない?」と言うと、
     娘が「角があるじゃない!」「後ろ足で蹴られるかも?」と
     想像力を全開にして、ビビッていた。
     でも、進まなきゃと二人で覚悟を決めてそっと牛の側を通り過ぎた。
     私が、牛が見えなくなってから走ろうとすると、
     「走っちゃだめ、音を立てないで歩くの」と叱られた。
     娘が「私、思わずカメラの赤いストラップを手で隠したわよ」
     私も「私のザックピンクだからどうしようと思ったわよ」と、
     まるで闘牛にでも出くわしたように・・・。
     二人で、牛を回避できたのにホッとしながら先へ進んでいくと
     曲がり角にまたもや牛が・・・・。
     今度は、「黒牛」が道の真ん中にいた。
     私が「どうしよう・・・、向きをこっちにかえたよ!」
     娘が「黒牛だから黒毛和牛と思えばいいのよ、あなた好きでしょ?
     黒毛和牛」と、「黒毛和牛は好きだけど・・・」と私。
     訳の分からぬことを言いながらも、「あっちにいって!こっちにこないで
     」と念じていたら、やっと横の草薮に入って行った。
     「まるでお化け屋敷に入ったみたい」と娘。
     そーーっと、わき目も振らず通り過ぎて、曲がり角を曲がると、
     「ぎょぇ~」
     黒毛和牛の大群が群れをなして、行く手を塞いでいた。
     二人して固まってしまい、そばの草薮に道らしきものが見えたので
     そこから回ろうとすると、そこにはなんと子牛が横になって座っていた。
     ここもダメだわと元に戻ると黒毛和牛が・・・。
     暫く二人で佇んで、いつも冷静沈着な娘が私の手を取り、
     「先へ進むしかないのよ!いい、ゆっくりそーっと静かに通るわよ」と
     ギュッと手を掴んで進んで行った。
     私は「そんなに怖くないのに」と、真剣な面持ちで歩く娘に手を
     引かれながら歩いた。
     緊張したその場を脱すると、「私、牛嫌いだわ、前は可愛いと思ったけど
     嫌いになった」と、牛に怒りをぶつけ「山の本にも書いてて欲しいわ   
     牛に注意って」と怒っていた。
     でもね・・・
     牛にしたら、「勝手に自分たちの領域に入ってきて、そっちこそ何よ」の
     世界なのだ。
     すったもんだが過ぎて、「萌の里」への登山道を見つけるとホッとして
     歩くことが出来たが、山の斜面の黒い岩が全部「黒毛和牛」に見えて
     心なしか急ぎ足になっていた。
     あんなに感動した山だったのに、下山道で思わぬハプニングに遭うとは
     でも、印象に残る山になったことは間違いない。






コメント (2)
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