木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

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2009年09月18日 | 映画レビュー
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コメディである。
ストーリーはありがちなもので、斬新なものではないが、個人的にはこの手の映画に弱い。気が付くと、涙している。

人生をビデオのように早送りすることができるリモコンを手にした主人公は、出世の階段を上っていくが、その間に肝心なものを置き忘れている。人生において本当に大事なものは何か分かった時には、死期が迫っていた。

といった内容である。

生きていくと、手段が目的になってしまう場合が多い。
出世することはよりよく生きるための手段でしかないのに、出世こそすべてだと思うと、出世が目的となる。
会社は人を競わせることによって伸びていく部分があるから、ポストが人格にさえなり得る。
同じ事を言っても、お偉方の言ったのと、ペーペーが言ったのでは、見向かれ方が違う。
「いい人」は、会社では直接評価されない。
何の商売でも同じだ。
「いい人」が行っている商売はずるい人がやっている商売よりは儲からないだろうし、世の中が貨幣経済である限り、「いい人」は、経済的には恵まれない。

しかし、世の中を見てみると、「いい人」なのに儲かっている人もいる。
一体、どうしてなのであろうか?
世の中はきれい事だけでは済まされない。
かといって、汚れた面だけで世の中が成り立っている訳ではない。
結局は、匙加減だと思う。
会社の仕事は誰かが指示してくれるが、人生という職場においては、誰も生き方まで指示してくれない。
逆に、誰かに指示された生き方を送っているようでは本当の生き方ではない。
与えられた価値観だけで行動していると罠に陥り、自分を見失いがちとなるので、自分の考えで動くのが大事だ。

自分にとって、本当に何が大事なのか。
そんなことを真剣に考えたくなる気持ちにさせる映画だ。


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