木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

三叉路

2011年07月18日 | ポップマニア
前回、「時の徘徊」について書かさせていただいたが、もうひとつご紹介したバンドがある。
「三叉路」(さんさろ)である。

三叉路も、3ピースバンド。全員がギターを弾き、三人のハーモニーがきれいなグループだ。
コンセプトは「昭和のフォーク」。
「時の徘徊」ほどの縛りはないものの、独自なバンドとなっている。
そのコンセプトは詩を読むとよく分かる。

ふたり立つのがやっとの台所で
きみは冷たい水でコップを洗う
なにをするのも音となる距離で
きみとぼくは笑った(れんげ荘)


三叉路は結成が1999年。
2006年、NHKの「熱唱 オンエアバトル」でチャンピオンとなる。
2007年からは「みんなのうた」で「しあわせだいふく」が放映される。
こう書いてくると、順風満帆だったようだが、そうではない。
1999年から2006年までは、鳴かず飛ばずの状態だったらしい。
自分で思っている自信作が人に受け入れられないときほど、アーティストにとって辛い瞬間はないだろう。
そんな中で、三叉路はよくチャンスを掴んだと思う。
オンエアバトル優勝後、どう身を処していくか、考えていなかったら、ただの優勝で終わってしまったのではないか。
処世術というよりも、何が何でも歌で食っているという覚悟が、彼らを前進させたように思う。

甘い甘い甘い恋は
ゆっくりコトコト時間を掛けて
つらいつらいことを乗り越えて
味わい深い二人になる(コトコト)


一気に成功の階段を駆け上る人もいるけれど、じっくり一歩づつ上がって行く人もいる。
三叉路は、後者なのだろう。
三叉路には上っていかなければならない階段は、まだ残っている。
ぜひ、ゆっくりと、しかし、確実にステップアップして行ってもらいたいバンドである。

この辺りをリーダーの松井正道が自らのブログで正直な心境を書いている。

「諦めちゃ駄目だっ!!」
多分僕が今ミュージシャンをやってる事も、10年前の友達は「絶対無理」と思ってたろうし、身内なんかは特に鼻で笑う状態だった。強運の持ち主や、最初から環境の整ってる人も確かにいる。 順調に進んで苦労しないでも夢を叶える人もいる。それをうらやましいと思うのは当たり前だけど、現実僕にはコネも環境もなかったし運が強いとも言えなかった。
「悔しさをバネにする」なんてのは口で言うほど簡単じゃなくて、喜びなく悔しさが積もっていくうちにバランスの悪い長いバネになって変な方向へ飛んでってしまうんだな。
実際に僕も弱った。止まった。若い若いと思ってた時間がものすごいスピードで過ぎてってしまう。とにかく焦ってた。努力賞はいらない。結果 が欲しかった。
熱唱オンエアバトルでの優勝は、もがき続け、這いつくばって、がむしゃらギリギリ滑り込みセーフの夢つなぎとなった。スマートじゃないし美しくもない。泥臭いかもしれないけど僕ららしい音楽を届け続けたい。


P.S.8月20日にメンバーの川田氏の故郷でもある板橋でフリーライブが決定。近くの人はぜひ!

開催日 : 2011/08/20(Sat)
タイトル : 光が丘ゆりの木商店街夏祭り
会場 : 板橋区赤塚新町3-32-13
住所 : 板橋区赤塚新町3-32-13
連絡先 : 三叉路HP

三叉路HP
君がくれたものPV
れんげ荘(オンエアバトル)

P.S.(2012.11.19)
その後、三叉路は活動停止してしまった。
解散ではないとのことなので、再結成もあり得るが、今現在では分からない。
リードボーカルの松井氏は来春(2013年)に新アルバムを作成とのこと。
この11月にも岐阜でコンサートがあったんだなあ。
もう少し早く気づいていれば、ぜひ行きたかった。

松井正道氏HP

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