木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

SONYと味噌

2015年01月20日 | 江戸の人物
盛田久左衛門という人物をご存じだろうか。
久左衛門は踏襲名であるので、15代・盛田久左衛門。
正式には、盛田久左衛門昭夫。
正解は、SONYの創立者である盛田昭夫氏である。

今は株式会社となっている盛田は、1665年創業の酒蔵である。
後に、味噌も作り始め、明治になると、醤油を製造するようになる。
愛知県知多半島にある常滑市小鈴谷が工場所在地。
分かりやすく言うと中部セントレア空港の近くである。
すぐ目の前には、海が広がる。
昭夫氏は、名古屋の旧武家地である東区の白壁町の生まれで、育ちも同地。
夏の間は、小鈴谷に来ていた。
当地には、盛田が創った鈴渓(れいけい)義塾という私塾があったから、昭夫氏は、小鈴谷では、のんびりとスイカをかじっている暇もなく、勉強に励んでいたのではないだろうか。

酒、味噌、醤油といった日本独特の文化から、SONYが生まれたというのは非常に興味深い。
これらの業種は、当時、非常に儲かった産業であり、昭夫氏も生まれながらの、ブルジョアであり、経営者であったと言える。
盛田家は、江戸時代、イメージ戦略を計り、灘の酒に対抗するブランド力の立ち上げに成功したし、明治に入ってから、いちはやくワインをつくりだしたりと、進取の気性には富んでいた。
ちなみに、東海地区にはCOCOストアというコンビニがあるが、このコンビニは、日本で最も早くできたコンビニと言われている。COCOストアは、早い時期に店内での調理を行っていたし、各地の名産を扱ったりするなど、結構面白いことをやっているが、このコンビニを作ったのも、盛田である。

こう見て来ると、酒蔵がSONYを創ったというのは、突拍子もないことのようでいて、その実、盛田の家風だったのかも知れないと思えてくる。


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昭夫氏とシンディ・ローパー。二人の人柄をしのばせるようないいショット!

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