生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

アジのうろこ(3)B領域

2007-04-13 20:41:38 | Weblog
 アジのうろこのB領域の顕微鏡写真を示します。弓なりに反っている翼の中央の外側の領域です。孔があいていますが,その円周方向に構成成分であるタンパク質分子鎖が配向していることが下の写真から分かります。両側の翼に力がかかっても壊れないよう,しっかりと両翼を繋いでいます
 面白いことにこの孔はBの手前側からCの向こう側に抜けています。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

アジのうろこ(2)A領域

2007-04-13 20:15:36 | Weblog
 アジのうろこは翼のように広がったいますが,その先端付近の顕微鏡写真を示しましょう。上は通常光,下は偏光顕微鏡写真です。中央より少し下方に太い筋が入っています。赤色石膏版を挿入して撮影した偏光顕微鏡写真(下)では,この右斜め上に向いた筋は青色ですから,この方向にうろこを構成するタンパク質,おそらくコラーゲンが配向していることは明らかです。この筋より下の部分はうすい青色ですから翼の長さ方向にも配向しています。長さ方向で太くて強い筋が入ることにより,うろこ全体の剛性が高められているはずです。凧の竹骨のようなものと考えればよいでしょう。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

アジのうろこ(1)全体像

2007-04-13 19:40:27 | Weblog
 アジの体をつくづく眺めてみますと,うろこは胴全体を覆っているのではなく,胴体の中央部で胴の長さ方向に配列しています。写真は取り出したうろこの全体像です。中央から左右に翼のような構造が伸びていて,最新式の飛行機のようです。尾から頭の方に向かって包丁の刃で擦ると,うろこはしっかり皮にくっついているうえ,うろこの尖った先端が立ち上がってきて引っかかり,なかなか取りきれません。手でこすると怪我するかもしれません。アジのうろこの形や生え方は,いままで見てきたカレイのうろことは全く異なっています。A,B,C,Dは顕微鏡写真を撮影した場所です。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(9)上顎の歯

2007-04-10 21:53:50 | Weblog
 上顎の全体像で示したD領域の写真です。撮影条件は前回と同じです。鋭くとがった歯がにょきにょき生えています。歯にも何らかの内部構造がありますが,この写真ではよく分かりません。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(7)上顎の歯(先端部)

2007-04-10 21:26:47 | Weblog
 前回の写真では上顎の全体像を示しました。今回は歯が生えている基部の先端部Aの写真を示しましょう。上は通常光で撮った写真であり,下は2枚の偏光子を直交させた状態で赤色石膏版(1λ)を挿入して撮った写真です。下の写真で,この部分の長さ方向を右斜め上に向けると空青色になります。この領域では,高分子,おそらくコラーゲンが長さ方向に配向していることが分かります。歯が生えている基部では全体として分子鎖が長さ方向に配向していることが分かります。この領域は半透明ですから,Caなどの金属成分は低いと考えてよいでしょう。
ミクロラボ Π(パイ)ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(6)上顎の歯

2007-04-09 23:27:00 | Weblog
 まな板に乗ったカレイを見ると下顎の歯が目立っている。当たり前だが,上顎にも歯がないと噛めない。写真は上顎の全体を示したものである。それぞれの撮影場所がA,B,・・で示してある。
ミクロラボ Π(パイ)参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(5)下顎基部##

2007-04-07 13:13:55 | Weblog
 図はブログ”カレイの下顎(1)”で示した,下顎の基部のG領域の写真です。この領域は半透明の薄くて柔軟な膜状の領域です。右上の縁の部分から左下方向へ太い繊維状構造物が放射状に数本走っています。偏光顕微鏡写真より分かりますように,この領域全体が空青色ですから,この方向に高分子,おそらくコラーゲンが高度に配向しています。したがって引張りに対しては強く,Ca成分が少ないので柔軟性も兼ね備えています。このG領域は,強いがCa成分が多いため脆い領域と繋がっています。したがって,歯でモノを噛む時に基部に発生する力を受け止めるには適した構造を持っているといえるでしょう。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界”(Yahoo!ブログ)
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カレイの歯(4)下顎の基部#

2007-04-07 11:41:25 | Weblog
◆ 写真はブログ”カレイの歯”で示した下顎のC領域(下顎の基部を二つに分けた時の端の部分)です。基部が何個かの部分がタンパク質で繋がっているため,歯の受ける力を反発力をもって受け止めることができると考えてよいでしょう。
◆ 通常光で撮影した写真ではフィブリル状の構造物が長さ方向に配向しています。赤色石膏板を入れた状態ではこの構造が空青色になっています。このことは,構成している高分子,おそらくコラーゲンがフィブリル状の長さ方向に配向していることを示しています。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(3)下顎の基部

2007-04-07 11:23:30 | Weblog
 図はブログ”カレイの歯”で示した下顎のB領域の写真です。歯が生えている基部は厚くて硬い部分(Ca成分が多い)と薄くて透明な部分(タンパク質成分が多い)より構成されています。モノを噛んだとき歯が受ける圧縮力を受け止める必要がありますし,長い基部の長さ方向の強さも必要です。この写真は基部の端の薄い領域に対応しています。
 通常光で撮影した写真(左)には細長い構造物が見られます。この細長い構造物の長さ方向が左斜め上方向に向くように置いて撮影した偏光顕微鏡写真を右に示します。細長い構造物が空青色に見えます。なぜという理由は省略しますが,この写真は構成成分である高分子,おそらくコラーゲンが歯の基部の長さ方向に配向していることを示しています。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

カレイの歯(2)下顎の歯

2007-04-07 11:08:05 | Weblog
 図はブログ”カレイの歯(1)”で示した下顎のA領域の写真です。このような歯が片側25本程度生えています。通常光で撮影した左の写真では歯が太いため影のようになっていますが,偏光で撮影した右の写真では何らかの構造があるように見えます。
 一般に,繊維のように分子鎖が長さ方向に配向している材料は,引張りには強いのですが,圧縮には非常に弱いものです。歯はモノを噛むとき圧縮力を受けることがほとんどでしょうから,構成成分である高分子鎖がどのように配向しているのかは非常に興味があります。歯の構造を調べると圧縮に強い材料の開発に役立つかもしれません。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)