大分県別府市には県の施設として、竹工芸訓練支援センターという所がある。我々、竹の生産者には実にありがたい存在で、普段から、機械を借りたり、竹の資料を見させて頂いたり、事あるごとにお世話になっている。ここは竹業界の生産者を支援する仕事ともう一つの顔が、昔で言うところの職業訓練校の役割を持っている。今年も全国から20人の竹細工を習いたいという生徒が勉強している。公の機関としては、全国でここだけである。雇用保険を貰いながら1年間竹細工の基礎を身に付ける学校である。京都にも私立で工芸を教える学校の中に竹工芸課があるそうだが、年間200万くらいの授業料がいると聞いている。
今日は別府の訓練性が1学期の終了日。定員20名の所の10名が見学に来た。初めて、竹を割り、やっと作品が作れるようになり、一番楽しい時かも知れない。皆さん、可能性を秘めた金の卵である。
しかし、時代はそんなに甘い物ではない、職業として竹細工を選んだことはある意味、「茨の道」を選んだような気がする。お金儲けだけ考えれば、もっと違った道をお奨めする。
工房をザーッと見てもらい、後はフリーで工房の職人にどんどん聞いてくださいと、うちの工房には隠すことは何もない。すべてオープンにしています。技術的なことも、経営内容も、何でもお答えしています。将来、彼らのうちの誰か?がうちの工房で修行をすることになるかも?知れない。
私が彼らに言えることは「良い作品を作ることは当たり前で考えてください。これからは、作る事とと販売することを両輪の如く、計画できないと職人としては生きていけません。みなさんは、一人一人が経営者になるのですから!作家としての道を開くも良し、職人として生業とするも良し、しかし、どちらも自分の作品を価値ある形でお客様まで届ける販路を確保して下さい。」 皆さん、頑張ってください。