工房にひょっこり、スペイン人のお客様が来られた。私の工房の前には、トラピスト修道院があるのだが、その関係の人が観光で日本に来ているのだろう。修道院のシスターに聞いて、「日本の伝統工芸を見てみたい!」と云う事で、見に来たのだ。
相手も、日本語はほとんど話すことは出来ないし、こちらも、スペイン語が話せるわけではない。片言の英語で遣り取りしていると、どうも、スペインの自宅に日本庭園みたいな庭があり、其処に、竹で作った扉を付けたいそうだ?(おそらく、そうだろうと思う?)
名刺を見てみると、”グラフィックデザイナー・庭園美術書クリエーター”とある。奥様は”生物学士・作家”と書いてある。
「東京・京都など、いろいろ見てみたが、竹を販売してくれる所などに行くことは出来ず、探していたら、此処と出会ったのだ」と云う。おかしなご縁である。
細かい所が、もう一つ判らないので、もう少し話が通じるように、通訳のシスターを連れて出直して貰った。午後から、シスターを伴って遣って来たら、おおかた、想像していた通りの内容で、竹を分けてあげることに!
外人は、大体が身振り手振りで表情が豊かなので、初めての人でも、結構会話になる。自分の作りたい扉の格好に置いてみて、長さなどを確認。
「マドリードにお出で!とってもいい所です。もし、来たら私に電話しろ!」と手で電話の真似をする。彼は社交辞令のつもりで言っているかも知れないが、
「ホントに行っちゃうぞ!」
でも、楽しいひと時でした。