高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

水槽

2009年10月17日 06時09分53秒 | 竹細工作業工程

工房には、大小合わせて5個も水槽がある。一番大きな物は、竹在庫横に、長さ6メートル、幅80センチ、深さ40センチと巨大な物である。しかし、この水槽は、ほとんど使っていない。以前、荒物の花篭が沢山出ていた頃は、この大きな水槽に長い竹を沢山漬けて、竹磨きの準備をしたものだが、最近は、あまり大物は出ないので、もう一つ小さい水槽を使う事がほとんどである。

Cimg0553 これが、現在一番よく使う水槽である。以前は、ブロックを回りに一周置いて、その中に厚手のビニールを敷き、水が漏れないようにしていたのだが、水槽を掃除するときに、デッキブラシで擦っている内に、ビニールに穴が開いたり、排水をする時に、いちいちブロックを外して、水を出さなければならなかった。

今は、チャンと基礎をコンクリートで打ち、その上にブロックを1段、チャンと固めて繋いであるので、ビニールを入れる必要もなく、デッキブラシで擦る掃除も大変楽になった。

Cimg0558 もちろん排水も、最初の基礎工事の時に、排水バルブを取り付けて工事したので、キャップを外すだけで、簡単に排水できる。

水槽で気をつけなければいけないのは、鉄分である。以前は、プロパンのガスボンベで作った小さな水槽や、重しに鉄の文鎮などを置いたことがあるのだが、鉄分が水に染み出て、竹に付着して、汚すのである。目に見えて判るときは良いのだが、最後の漆塗りの段階になって、漆と反応し汚れを出す事がある、そうなると、それまで、一生懸命、作った籠が、最後の最後でダメになり、本当にガックリする。

Cimg0560 次によく使う水槽は、お風呂の浴槽である。いらなくなった浴槽を置いてあるのだが、1メートルくらいの長さまで入るので、短いヒゴや、ちょっとした時は、こちらをよく使う。

広々とした山の中だから、こんな水槽を幾つも使えるのだが、街中で工房を構えたときは、水槽一つにも大変な事である。


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