本日の高住神社の状況です。
◆晴れ
◆14℃
九州北部もついに梅雨入りしましたね。
特に英彦山は年間降水量が多いので、毎年雨と湿気に悩まされます。
防カビ対策として御守保管箱に除湿剤を入れたりと、この時期は何かと手間がかかるものです。
それでも霧にけぶる高住神社は格別の雰囲気があり、梅雨ならではの情緒が待ち遠しくさえ思えます。
さて、先日6日は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」
芒種とは、稲など穂先に芒(のぎ)と呼ばれる突起のある植物の種を蒔く時期のこと。
とは言っても、今川上流域ではすでにほとんどの地域で田植えが終ったようで、津野周辺の皆作祈願も梅雨入りした先日5日で最後。
田植えは上から下へと順に進んでゆくようなので、今月からは行橋など下流域の集落で田植えが始まる頃でしょう。
二十四節気は農作の指標となるものなので、都市部暮らしには馴染みがないものの、こうした農村部では現在でも目安になるように思えます。
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田川市郡は今でも農家が多いため、農耕に関わる祭事が各所の神社・小祠で行われており、私も斎主として出向くことがあるのですが、年長者に祭りの日について尋ねると、昔は15日だったということが多いようです。
旧暦と呼ばれる太陰太陽暦では15日は満月であり、月明かりが一番輝かしい時期というのと、満月から満ちあふれる不思議な力にあやかろうとしたのでしょうか。
餅の語源は一説に「望月」からきているともいい、真円に近いものは神霊を表すことから、餅を御霊になぞらえ供物として重用したようです。秋の十五夜には月見団子を供えますが、これも同様の意味があります。
昔は「お籠もり」といって氏神様の元に集まって一夜を明かす習わしがあり、現在では秋に行うところがほとんどですが、昔は春のお籠もりも盛んに行われていたようです。
餅や団子といった御霊をあらわす物を神様ないし満月に捧げ、霊威の宿った供物を頂くことで魂の賦活を祈り、ハレの祭りによってケである日常の安寧を願ったのではないでしょうか。
神事といわれるものの根底には、そうした人々の生活と季節の流れに即した習わしがあり、そういったことを学ぶのも祭りの意義を知る上で大切なのではと思います。
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とまあ、大分長くなりましたが、今日はつらつらとコラムを書いてみました。
高住神社は農業神としての信仰上、年間を通じて農作に関わる祭事が多いので、今は使われていない太陰太陽暦のことを知っておくと何かと便利です。
といった新暦と旧暦が載っているのがこれ。福岡県神社庁で発行している神社庁暦。
新旧暦とともに、六曜・十干十二支・九星の他、暦選日・十二直・二十八宿(この辺りは私は苦手)などが調べられます。
また主だった神社の祭りが掲載されているので、一冊あると何かと便利ですよ。
半年も経ってるのに在庫を持て余しているのは内緒。
ちなみに表紙絵は通りもんのCMでおなじみ、長谷川法世さんのイラスト。
毎年出ているので、知らなかった方はこれを機会にぜひ。
300円とリーズナブルなお手ごろ価格で授与しておりますので、よろしくお願いいたします。