本日の高住神社の状況です。
◆晴れ
◆18℃
日に日に気温が下がり始め、20℃を越える日が少なくなってきました。
雨の日はうっすら肌寒ささえ。
神幸祭が過ぎたらストーブを出すのが毎年のこと。
焚き火用の薪を集める時期が近づいてきました。
さて、今日は新米の奉納がありました。
今年収穫したばかりの米。
場所や品種によってはもう刈り入れ時期なのですね。
高住神社は農業との関わりが深く、春先には豊作を願って各地域からお参りに来られます。
農家の方々とお話をしていると、やはり米の出来具合が心配だとか。
自然を相手にする生業ですからどうしても天候に左右されやすいもので、人の力だけではどうしようもない部分も多い。天候の采配ばかりは“神のみぞ知る”ことですから、そうなると心の不安を取り除くためにもやはり神頼みにすがるほかないのでしょう。
そういった気持ちは昔から変わらずで、占いによって神様の意志を聞くなんて神事もあります。
例えば「粥占(かゆうら)」といって、お粥を用いて吉凶判断をする神事があります。木枝についた粥の粒を見て判断するなど方法は様々ですが、北部九州にはお粥についたカビの具合で占う方法があります。
この付近で有名なのは、佐賀の千栗八幡宮の「お粥試し」や日田の大原八幡宮の「米占い」で、カビの生えた方位や具合で判断するそうです。何とも面白い神事ですね。
ここにはそういった神事はありませんが、ふと見本の木札を見ると五穀豊穣の札だけにビッシリとカビが生えてました。
毎年年末に新しく換えるのですが、なぜか五穀豊穣だけカビが生えてるんですよね。
これは豊作の兆し…!?
麓では稲穂が頭を垂れるほどたわわに実っていて、そろそろ収穫間近といった雰囲気。
刈り入れが過ぎたらまた御礼詣りに来る方も増えることでしょう。
高住神社の神幸祭にはきっと豊作への感謝も込められていたに違いありません。
時代の変化によって祭りの意義さえ忘れ去られつつありますが、受け繋いできた歴史を絶やさず行うことが現代に生きる私たちに唯一できることなのかも知れませんね。
本日の高住神社の状況です。
◆雨
◆19℃
台風12号が上陸した関係で、ここ数日は雨が続いています。
中国・近畿・東海地方では増水で避難勧告が出るなど、近年稀にみる大型台風の影響は各地で大きな被害をもたらしているようです。
一刻も早くこの事態が収まってくれるといいのですが…
さて、今日は山伏さんの入峰の日。
雨の中、法螺の音を響かせながら登ってきます。
皆様にご挨拶。
先達の先生に、毎度おなじみ山伏道具紹介のため写真を撮らせてもらいました。
今回は『法螺(ほら)』
ホラガイに歌口をつけたもので、山中で熊などの獣を大きな音で追い払う役目があったそうですが、次第に合図等に用いられるようになり、螺音の高低や遍数に決まりを設けて山伏同士の連絡・指示などの役割を持つようになりました。
ここにいても山からの法螺貝の音に気づくように、共鳴を利用した大きな響きは遠くにいても届くので、山中における信号としてうってつけなのでしょう。
法具としては法螺を鳴らすことで場を清め、衆生の罪障を祓うなどの意味があり、読経に通じるものがあります。
法螺は鳴らすではなく「立てる」といい、それを立螺(りゅうら)といいます。
なぜ立てるというのかというと、“お茶を立てる”のように法螺を立てることで自らの心を正すといった意味があるようです。神前仏前で法螺を立てることは神仏に対しての神楽・法楽の意味があるので、さしずめ神仏を拝む前に己の心を正し清めるためということでしょうか。
立螺には駈相(かけあい)や宿出など状況に応じた吹き方の決まりごとがあり、その作法を習得するのはとても奥が深く難しいようです。もし山伏さんに出逢ったなら、その吹き方に注目してみるのも面白いかも知れません。
山中から響いてくる音色を聞くと、やはり修験の山には法螺が似合うなぁと。
私もそのうち覚えてみようかなと思います。