
いのちひとつ母の手にあり梅真白 髙橋三津子
上五が六音の字余りが効いているようだ
このゐのちは梅花のようでもあり
母のようでもある
真白も梅のようでもあり母の細く痩せ手のようでもある
梅になぞらえた病室の母と解したが
(小林たけし)
梅】 うめ
◇「白梅」 ◇「野梅」(やばい) ◇「飛梅」(とびうめ) ◇「臥竜梅」(がりゅうばい) ◇「枝垂梅」 ◇「老梅」 ◇「梅林」 ◇「梅園」
バラ科の落葉高木。古く中国より渡来。百花にさきがけて開く花は、五弁で香気が高く、古来春を告げる花として、和漢の詩人、画家に、その清香、気品を愛されている。万葉時代は花といえば埋めであった。花の色は白・紅・薄紅、一重咲・八重咲など多様。
例句 作者
うめ咲いて午後の悦樂俟てば来る 相原澄江
かるくなる空につまづく梅の花 井田茂治
けむりめく衰え白梅まっさかり 政野すず子
ここにいることが遠景梅咲けり 守谷茂泰
これからと言ふ白梅の曲りやう 福原瑛子
しら梅の泥を破りて咲きにけり 照井翠
しろしろと畠の中の梅一本 阿波野青畝
そこここに手焙置かれ梅まつり 富本茂子
うめ咲いて午後の悦樂俟てば来る 相原澄江
かるくなる空につまづく梅の花 井田茂治
けむりめく衰え白梅まっさかり 政野すず子
ここにいることが遠景梅咲けり 守谷茂泰
これからと言ふ白梅の曲りやう 福原瑛子
しら梅の泥を破りて咲きにけり 照井翠
しろしろと畠の中の梅一本 阿波野青畝
そこここに手焙置かれ梅まつり 富本茂子