よくできたドラマ「恋愛時代」の原作の作者ということで読み始めた野沢尚。
「深紅」「烈火の月」「リミット」「破線のマリス」の次に選んだのが「恋人よ」。四分の1読んだところだが、設定がすごい。普通の作家が書くレベルからさらに一ひねりも二ひねりもしてくる。人間関係をこれほどにまで絡ませて均衡を保っている現状がどのようになっていくのかが興味深い。「空気に微粒子が秋の日差しに反乱を企てたように視界をハイキーに染め、人間の登場を紗幕のように飾った。」少々飾りすぎのような気もするが、どこからこのような表現が浮かぶのだろうか。