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巌流島

2011年08月22日 | 囲碁

 宮本武蔵は佐々木小次郎に対し、櫂を削って作った木刀で臨んだという。

 両者相当の剣の使い手で、勝負は時の運。対等の条件では相打ちになる可能性もある。しかし相打ちではまずい。生き残らなければならない。しかも、佐々木小次郎の武器は三尺三寸の長剣、相手の間合いで戦っては不利である。 では、小次郎と同じ長剣を使うか。しかし、長剣では小次郎に一日の長がある。さらに長い剣では・・・重くて使えない。では、木刀を使おう。一撃を加えることができれば勝負は勝ちである。殺傷する必要はない。

 武蔵、長い木刀を手に小次郎に向かい正眼に構える。
 小次郎、それを一目見てプッと吹き出し「むさーし、その手できたか(^^)」
 武蔵の額からは、汗がたらーっ・・・これでは武蔵の負けである。

 小次郎とて刀だけはなく、槍やいろいろな武器と対戦しているであろう。相手が木刀と見ればそれなりの間合いで闘うはずだ。その余裕を与えてはならない。
 判断力が曇る心理に持ち込む必要がある。小次郎をとことん待たせよう。臨戦の気持を長く維持することはできまい。
 木刀は櫂で作るのだ。舟で行けば櫂を持っていても不自然ではない。小次郎が、こちらが長い櫂を武器にしていると悟った時には、こちらの間合いで闘いが始まっている。

 小次郎は、長剣ゆえ腰にささず背負っている。剣を抜けば鞘はじゃまである。当然、そこらに置いておくことになる。「待ち兼ねたぞ武蔵」と痺れを切らした小次郎が闘いを急ぎ武蔵に駆け寄った時、武蔵が待っていたかのように叫ぶのである「こじろーやぶれた~~り、鞘をなぜすてーるのか~~!」小次郎にとっては「はぁ~?こいつ馬鹿か!生意気な!」と思わず日頃の間合いで闘いを挑んだところ、相手は櫂の木刀、思ったより長く動きも速い!と気がついた時には、頭にゴン

 史実がどうだったかは置いておいて、武蔵は、有利な闘いにするため、長く軽い木刀を武器にし、それを悟られないように、櫂を削った木刀を手に、舟で、しかも時間を遅らせて向かったのではなどと考えていた。