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「催眠 完全版」「後催眠」

2008年02月01日 | 書籍レビュー
[感想:★★★★-:ぜひ勧めたい!]
 今回、作者は、旧版の「催眠」(小学館文庫)を全面改稿し、リアリティと現代性を念頭に書き直し、「催眠 完全版」(角川文庫)としたという。特に結末が、こんなに変えるか!というほど全く書き換えられており見事だ。作者の手腕には驚かされる。
 催眠シリーズの2作目の「後催眠」も同様にすばらしい。読み終わった後に爽快感がある。現在、3作目の「カウンセラー」を読み始めたところ。


催眠 完全版
松岡 圭祐
角川書店

後催眠
松岡 圭祐
小学館文庫
 映画の原作とはいうものの、小説の「催眠」は、映画の「催眠」と全く異なり、ホラーの要素は全くなく、「心温まるヒューマニズムや科学的視点に立脚した」しっかりした作品である。

 「現実の精神カウンセリングに立脚した臨床心理士と患者の真摯な関係」をベースに、「催眠」では解離性同一性障害、「後催眠」では不安神経症を採り上げ、これらの病気を抱える患者とそれに接する医師の苦悩と問題点」を見事にからませた心理サスペンスとなっている。

催眠
松岡 圭祐
小学館文庫


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